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効果の出る営業できていますか?

営業が苦手の方、自社の営業力や販売力を上げたいが、どうすればよいかわからない方、新規開拓を行ったがその後うまく進められない方など「営業」がうまくいかずに悩んでいる経営者、営業部門責任者の方に向けて、解決のヒントをご紹介します。

(掲載日 2022/02/18)

自社の営業力を向上させる3つのポイント

「営業はいらない」
そう思われている経営者の方も多いのではないでしょうか?

ホームページで紹介して、ECサイトで購入してもらえばいい。確かにその手法で、販売可能な商品も多数あります。
しかし、「詳しい説明が必要」「他社との違いが分かりにくい」「複数の組み合わせ」など営業担当者が、訪問や電話、メールなどで説明しなければならない商品を扱っている事業者さんは、多数いらっしゃると思います。

営業が必要だがどのように営業力を高めていけばいいのか、一緒に見ていきましょう。


■営業体制はどのようになっていますか?


「商談をしたい」と問い合わせが入った場合には、誰が対応することになっていますか?

1・代表御自身
2・営業担当者
3・商品毎に違う担当
4・手の空いている人


上記4つの対応のうち、代表御自身(1)もしくは営業担当者(2)に任せている会社が多いのですが、中には商品毎に違う担当(3)、手の空いている人(4)が対応を取られている場合があります。

商品毎に担当が変わる場合と手の空いている人で対応されている場合には、下記のような注意が必要です。

・自分の取扱いの商品(知っている商品)の説明はスムーズだが、他の自社製品を良く知らない。
・自分の担当商品(好きな商品)を購入してもらおうと無理して進めてしまい、お客様のニーズと乖離してしまう。

担当を決めて対応を行うように体制を作り、説明のバラつきを無くすようにしましょう。

■売れない理由3つのパターン


1・自分に言い訳(売れない理由を探してしまう)

販売前に言い訳を考えてしまい、売り込みを行えません。

このパターンの営業担当者は、とても諦めが早いのが特徴です。お客様のところへお伺いする前から、「緊急事態宣言だから」「値段が高いから」「不景気だから」「お客が買う気が無いから」など様々な言い訳を考えてしまいます。お客様の前でも言い訳が心の中にありますので、驚くほど諦めが早いです。またお客様との距離感が上手く掴めず、商談が苦手だと沈黙が訪れます。気まずい雰囲気で商談を終えることが多くなり益々言い訳を探してしまいます。

筆者は、営業「心・技・体」の「心」の課題と定義しました。


2・どこに強みがあるかわかっていない(会社の強み・個人の強み)

このパターンの営業担当者は、自社やご自身の特徴や強みを理解しておらず、自分に合わない営業スタイルや説明を行っています。

守破離(修行における段階を示したもの)の守である基本を覚える新人の段階であるならば、まずは社長や上司の真似をすることは問題ありません。しかし、破のステップに進むためには、社長や上司の良いところを応用した自分の営業スタイルを模索しなければなりません。社長や上司の真似をしているだけでは、いつまでも自分にあった営業スタイルが確立しないため、営業成績は伸び悩んでしまいます。

筆者は、営業「心・技・体」の「体」の課題と定義しました。

3・営業担当者の技量不足

商品知識、お客様との交渉力、話術などのスキルが不足しています。

このパターンの営業担当者は、自身が取り扱う商品についての知識を補充せず質問を受けても答えられません。お客様毎への利用方法や応用方法の提案が出来ないことが多く、代表や先輩と同行営業をしていた際に、他人事としていた担当者に多く見られます。また、交渉についても、値段や性能など数値で出せるものの交渉は出来ますが、お客様の心に届く提案が出来ない為、価格交渉で値引きを余儀なくされ利益率が低くなる傾向にあります。

筆者は、営業「心・技・体」の「技」の課題と定義しました。


■解決方法(3つの視点から)


1・「体」の課題解決方法(どこに強みがあるかわかっていない)

自社の強みや会社の強みを知る為にも、ポジショニングマップを活用しましょう。

「自分」「会社」「商品」の立ち位置を知ることで、他者との違いが明確になります。自社の強みを確認し、「何を」提供できるのか説明をスムーズにすることで、受注確立が上がります。

2・「技」の課題解決方法(営業担当者の技量不足)

商品知識を深めるには、まずは営業担当者に取り扱い商品への興味を持ってもらうことです。

サンプルなどを渡せる商品を取り扱っている場合には、実際に使ってもらい感想をもらうなど、営業担当者が興味を持つよう誘導していきましょう。また上司や先輩たちの実践に基づく問答集などを作成し共有することも、知識を深める為に大切です。

商談スキルを深める為には、やはり経験を積むことが一番です。しかし経験を積むには、どうしても時間がかかってしまいます。
そこで「今すぐ使える!商談技術」をお伝えしたいと思います。

(1)相手の口を見る
「商談の基本は相手の目を見て話しましょう」と営業本にはありますが、目を見て話すのは難しいものです。下を向いていたり、どこか違うところを見ているのも相手への印象を悪くしてしまいます。口を見ることで心理的な重圧をなくして、お客様との商談に臨んでみてください。

(2)あいづちを使う
「はい」「なるほど」「そうですね」を基本として使います。話をすることに一生懸命になってしまい、話を聞くことが疎かになってしまっている営業の方も多く見受けられます。ノートを広げ書き取りながら、お客様へ「聴いていますよ」のアピールを行います。

(3)「いつまで」と「いくらか」を守る
お客様との会話が出来るようになってくると、様々なお願いや依頼事項も増えてきます。

その中でも期日と金額だけは必ず守りましょう。この2個を失念してしまうと、それまでの努力が水の泡です。「いつまで」と「いくらか」だけは必ず守るようにしてください。


3・「心」の課題解決方法(自分に言い訳)

売れない訳を他人や時代のせいにしてしまう人の考え方を変えるには、「~はどうしたら出来るか?」の疑問形に置き換えて問いかけてみてください。疑問形に置き換えると、具体的な行動計画が立てやすくなります。どうしたら出来るかを考え、行動することで結果もついてくるようになります。

また、商談が苦手でなかなかお客様との距離が掴めないという人も見受けられます。そのような人には、常に客観的な視点で自分の商談を見ることの出来る方法をお伝えします。
その方法は、「神様がのぞいている」イメージを持って商談に臨み客観的に商談をみることです。上からのぞいているイメージで慌てず、相手の話をよく聞いて商談に挑んでいきましょう。


■まとめ


営業力を上げるためには、心技体をバランスよく身につけることが大切です。特に優秀な営業担当者ほど、慣れてきたころにバランスを欠いて大きな失敗をしがちです。自身や部下は大丈夫か再確認してみましょう。

モノだけでなくサービスや考え方を販売し、お客様よりその代価を得ることは大変なことです。その最前線の営業担当者は「大変そう」とか「ノルマが厳しそう」という理由で、敬遠されがちな業務でもあります。

しかしお客様に喜んでいただき、企業の業績やモチベーションに影響を与えることの出来るとてもやりがいのある仕事なのです。

このコラムをお読みになり、少しでも営業が得意になり売上アップに繋がれば幸いです。

著者プロフィール

水口 健(水口中小企業診断士行政書士事務所)

販路拡大、営業支援を専門分野としている。大手百貨店勤務時は、法人外商担当として22年間従事。同業百貨店、大手商社などとの競争を勝ち抜き大口案件獲得多数。現在は、窓口相談等での小売店、飲食店などへの店舗活動支援、製造業、卸売業などへの営業活動支援を行っている。

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