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理想の「amorph.」をつくるための大きな挑戦

企業名:Bistro amorph. (ビストロ アモルフ)  取材先ご担当者様:代表:竹内卓氏

コースメニューへの変更と的確な情報発信で効率性と顧客満足度を向上

お客様から料理やデザートの味や接客に対して高い評価を受け、一定の認知も得ているが、経営を維持してゆくうえで悩みも抱えていた。オペレーションの変更をすべきかどうか、比較的若い年齢層の顧客をどのように集客すればよいか・・・

企業概要

Bistro amorph.(ビストロ アモルフ)(代表:竹内卓氏)は三鷹駅北口から徒歩2分に位置するフランス料理店である。
当店はシェフである竹内氏とパティシエールである妻の二人で営まれている。当店は9坪と小規模ながら、店の外観やインテリア、音響等にこだわりが詰まっている。天井から吊り下げられた淡い光の照明と、6面体スピーカーから流れる音楽が作る空間は、日常と少し異なっていて隠れ家のようだ。当店では食材を厳選しており、特に生産者にこだわっている。無農薬野菜の生産者から野菜を直送で仕入れ、肉は餌や生育環境の良いものを使って、素材が持つおいしさをそのまま生かした料理を提供している。コース料理の終わりに提供されるアシェットデセール(デザート)も評判である。1枚の皿に美しく盛り付けられたデザートは目にも鮮やかだ。特別な日に特別な人と行きたくなる店である。

企業の悩み

当店はお客様から料理やデザートの味や接客に対して高い評価を受け、一定の認知も得ているが、経営を維持してゆくうえで悩みも抱えていた。それはオペレーションの変更をすべきかどうか、比較的若い年齢層の顧客をどのように集客すればよいかということであった。夫婦二人きりで店を切り盛りし、ピークタイムが一日中続いているような忙しさの中、悩みを抱えたまま解決策を見いだせないでいた。
そこへコロナ禍が襲い、当店も大きな打撃を受けたが、これをきっかけに課題に向き合おうと決めた。その時、目に留ったのが武蔵野商工会議所から届いた小規模事業者持続化補助金についてのハガキだった。早速、窓口である武蔵野商工会議所へ相談しようと決めた。
補助金申請支援の後、以前から抱えていた悩みを経営指導員へ相談したところ、専門家による経営分析を受けることができる本プロジェクトを紹介された。

導き出された課題

経営分析の結果、指摘された課題は、①店の新しいコンセプトやルールの再設計、②メニューや価格の見直しとオペレーションの効率化、③SNS等情報発信の強化の3点である。
従来は、顧客ニーズに応えるため、様々なメニューの注文に対応するアラカルト料理を提供してきた。今後は、料理の質はそのままに効率の良いオペレーションへどのように変えていくかを検討することになった。
また、従来高齢な方に偏っていた顧客層をどのようにして多様化するか、30~40代の方々が来店してくださるよう、どのようにして集客するかを検討することになった。そのためには情報発信が必要であり、積極的なSNS等の活用を助言された。竹内氏は、これらの課題を解決するため、本プロジェクトのアシストコースとアドバンスコースを活用することにした。

提案された解決策

本プロジェクトを利用して、専門家から具体的なアドバイスを受けながら課題解決に向けて取り組んだ。
まずは、メニューや価格の見直しとオペレーションの効率化である。以前から竹内氏は料理の提供方法をアラカルトからコースメニューへ変更するというアイデアを持っていた。しかし、その変更は大胆すぎるように思え、「お客様に受け入れてもらえるのか」という不安は大きかった。そこで、その移行の手順や方法について専門家や経営指導員からアドバイスをもらいながら実行した。
次に、SNSの活用等の情報発信にも取り組んだ。コースメニュー移行の宣伝をどのように実施するか、具体的な取り組みを検討し、集客手段の多様化のためにホームページ更新やSNSの利用を進めていった。同時に資金面についても事業計画策定から採択に至るまで補助金申請の支援を受けた。

その後の状況

コースメニューへの移行は当店にとって大きな挑戦だったが、今では売上も増えており手応えを感じている。移行により、オペレーションの煩雑さやロスが軽減された。注文があるかどうかわからない食材も仕入し、仕込みに時間をかけていたが、今ではコースメニューの料理だけに集中できるようになった。それによりお客様の満足度も上がってきた。
情報発信も着実に進めてきた。例えば、当店のホームページでコースメニューの情報を発信し、YouTubeやInstagramへ動画を投稿した。SNS投稿後のコースメニュー移行は大きな混乱もなくスムーズな移行ができた。最近はSNSの情報を見て、コースメニューを目あてに予約してくださるお客様が増えてきた。以前は「この店はどのようなお店なのだろう」と気にしていただけのお客様が、コース提供される料理と値段設定が明確になったことで足を運んでくださるようになってきた。

企業様の声

夫婦二人きりで店をやっているため毎日忙しく、日々が店と自宅の往復で終わってしまうことで、考え方が凝り固まり視野が狭くなって、目先のことだけしか考えなくなっていました。今回の支援のように専門家からアドバイスをもらうと、気づきが多々ありました。具体的には店の数字を見ることができるようになり、視野が広がったと強く感じます。小さな店ですが、今後は店内でクラリネットの生演奏等、お客様に楽しんでいただけるような空間づくりを考えています。そして、そこには料理とデザートがしっかりとある、そういう良い空間ができればいいなと思っています。
(代表:竹内卓氏)

支援者の声

竹内ご夫妻とはコロナ禍最盛期の中で補助金相談にお越しいただいたご縁からご支援させていただいております。コロナ禍を乗り切る事業計画策定、経営基盤を盤石にしていくためのディナーコースの定着化等、ご夫妻の思いを実現できるように支援を進めさせていただきました。お二人からいただいた言葉で印象的であったのは、「自分たちだけでは考えられなかったことを、知ることができて楽しかった。また、自分たちの考えていることを後押してくれるので自信が持てたこともありがたかった。」というお言葉を頂戴できたことです。今後も夢への応援団としてサポートさせていただきたいと思っております。
(武蔵野商工会議所:神林賢太氏)

企業情報

企業名 Bistro amorph. (ビストロ アモルフ)
代表者 代表:竹内卓氏
創業年 2018
業種 飲食業(フランス料理店)
所在地 東京都武蔵野市中町1丁目20-10 宮木ビル101
事業PR
URL https://www.bistro-amorph.com/


中小企業診断士 上塘裕三

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