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100年の信頼から次のステージへ、花岡無線電機の挑戦

企業名:花岡無線電機株式会社  取材先ご担当者様:代表取締役社長:花岡克己氏

営業改革で実現する「放送業界のコンシェルジュ」

100周年を迎えるにあたり、105周年までの5か年計画の策定を行いたいと考えている中、様々なフレームワークやツールを試し、一緒に方向性を定める人が欲しかったため、本プロジェクトを利用することになったが・・・

企業概要

花岡無線電機株式会社(代表取締役社長:花岡克己氏)は、放送局向けの音声機器の開発・製造・販売を行う会社である。1925年の創業以来、日本の放送業界を支え、2025年に100周年を迎える。
放送技術の変革に伴い、当社もその歴史とともに柔軟に進化を遂げてきた。
当社の強みは、長年音声機器メーカーとして培ったノウハウを生かしたシステムのカスタマイズである。大手企業ができあがった製品を納品するのに対し、当社は顧客の要望に合わせた製品を一つひとつ設計していく。また、自社製品のみならず、他社製品のOEMや工事も手がける。特に海外製品用のカスタマイズパネル製作に対応している企業が少ないため、問い合わせが多い。このように顧客の要望に柔軟に対応することで、顧客からの信頼を獲得してきた。

企業の悩み

当社では100周年に向かうための5か年計画「つなぐプロジェクト」を策定していた。カスタマイズ製品が強みの当社は、一から製品を作ると時間がかかる。そこで、「つなぐプロジェクト」では製品や作業の標準化、基準化を実施した。
100周年を迎えるにあたり、105周年までの5か年計画の策定を行いたいと考えている中、本プロジェクトの存在を知った。
すでに花岡氏自ら、SWOT分析やマンダラチャート等様々なフレームワークやツールを試していたが、一緒に方向性を定める人が欲しかったため、本プロジェクトを利用することになった。

導き出された課題

経営分析の結果、運転資金の現金化速度の向上と、要件定義や見積りの作成時間削減による生産性向上の必要性を指摘された。特に財務面の課題は、今後事業を拡大するうえでの鍵となる。
また、収益目標の明確化や、従業員の業務標準化の達成期限と範囲の明確化等、具体的な目標の設定も助言された。
これらの提案を受けたうえで、本プロジェクトの利用目的である5か年計画の策定を行った。

提案された解決策

アシストコースでは、次の5か年計画の策定にあたり、まずは花岡氏が考えていることについてヒアリングを行った。前述のように様々な分析やチャート作成を行っていたが、ヒアリングを通じて、花岡氏の考えをさらに引き出すことで、今後どのような方向に進んで行きたいか明確になった。また、ヒアリングの中で出た重要なキーワードを抽出し、体系的にまとめて5か年計画の策定を行った。
その中で、メーカーとして製品を販売するだけではなく、顧客と一緒になって仕様を考え、システム設計に落とし込むことも行っていき、放送業界のコンシェルジュを目指すという5か年計画の方向性が策定された。
新しいサービスを行うにあたって、営業が動けるようにサービス自体の認知度向上や、ターゲットはどの顧客にするか等について整理する必要がある。そこでアドバンスコースでは、顧客管理と顧客に合わせたアプローチ方法の検討および新規顧客向けの営業ツールの検討(チラシデザインの設計)を行った。
例えば、当社を知らない顧客と、知っているがまだ取引がない顧客とでは営業のアプローチ方法が変わる。また、既存顧客についても、訪問状況を管理することで、定期的なメンテナンスの提案ができる。当社自身が新製品を出していない等、すぐに販売につながらない場合は、手元で使ってもらえるノベルティに力を入れることで、必要となった時に当社を思い出してもらう等の工夫を行っている。新規顧客開拓用のチラシ作成にあたっ
ては、当面のターゲットを取引のない放送局の音声技術担当者と設定し、具体的なデザインを検討して完成させることができた。
5か年計画策定時に収支についてもシミュレーションを行ったことにより、ただ人を採用して営業するだけでは利益が出ないことがわかった。そのため、効率的な営業ができるような顧客管理とアプローチ方法の整理を心がけた。

その後の状況

現在、営業担当者と一緒に顧客の整理を実施しており、今回作成したチラシを最大限活用して実際の営業活動を行っている。また、営業担当者がどのような活動で、成果が得られたかわかるようにシステム化する予定である。本プロジェクトの利用により、社外の専門家の知見が入ったため、営業担当者は納得感を持って仕事に取り組むことができている。
当社の強みは技術力のため、技術力やカスタマイズ対応を求めた顧客からの依頼がほとんどである。その反面、営業のモチベーション維持が課題となっていた。今回の取り組みにより、自分の行ったことの成果が明確に見えるようになり、営業の満足感やモチベーションの維持につながると考えている。
技術の変化が激しい業界ではあるが、100周年以降も、その変化を楽しみながらチャレンジをしていきたいと花岡氏は考えている。

企業様の声

前回の5か年計画は自分一人で作りましたが、今回専門家と一緒に考えたことで、100周年以降につながる計画になったと思います。
プロジェクトの中では、答えやすいようにヒアリングをしてもらい、その回答を要約してもらったことで考えを整理できました。外から助言してもらうというよりもチームの一員となって一緒に考えていったイメージです。
宿題はほとんどなく、その場で一緒に考えるというやり方だったため、忙しい業務の中でも効率よく取り組むことができました。
また、自分自身で分析は終えていたので、具体的に何をするかという施策面について検討できた点がとても良かったと思います。
(代表取締役社長:花岡克己氏)

支援者の声

現在運用中の経営計画(2021年~2025年)がいよいよ後半に差し掛かってきたため、社長は現状の経営計画の見直しや更新を希望されていました。
放送業界における機材の流れは、従来のアナログ技術から、最新のIP化対応製品へと急速に移行しており、当社としてもIP化対応をさらに強化する必要があると感じていらっしゃいます。
アシストコースでの支援を活用し、代表は「放送業界のシステムに精通し、支援や提案を行うアドバイザー的な存在になる」と明確に打ち出し、それを主軸として5年後のビジョンをしっかりと策定されました。さらに、サービスごとに収支計画を立て、それに基づき、取り組むべき課題や具体的な実行プログラムも詳細にまとめていただきました。
今後は、より多くの新規顧客を獲得するために、営業活動の仕組み化を進めるとともに、事業のさらなる成長を目指して引き続き支援を行いたいと考えています。
(東京商工会議所:山下昌敏氏)

企業情報

企業名 花岡無線電機株式会社
代表者 代表取締役社長:花岡克己氏
創業年 1925
業種 製造業(放送関連機器)
所在地 東京都目黒区鷹番1-11-6
事業PR
URL https://www.hanaoka-m.co.jp/


中小企業診断士 長山萌音

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