4 運営管理
ITを導入する際にまず気をつける点をご存じですか?
- 当社は個人宅のリフォームや店舗のリニューアルを行う建設業の事業者です。
顧客との商談や施工の進捗状況などの情報について、これまでは週1回の社内全体会議を開催し、共有を図ってきたのですが、事業規模の拡大とともに、会社全体の状況を把握しきれなくなってきました。
グループウェア、近年流行のクラウド、タブレット端末等、ITを使って情報を共有することで、状況を改善したいと思いますが、導入にあたって気をつける点を教えてください。 - 業務にITを導入するメリットには様々ありますが、代表的なものは「早さ」と「正確さ」の向上です。
貴社はリフォーム等を行うとのことですので、各担当者のところで発生した情報を共有することは、顧客の質問等に対する回答までの時間を短縮したり、仕入や外注、工程管理等の精度を高めることにつながります。
ご質問のグループウェアやクラウド等は、このような目的に役立つものではありますが、ベンダー等の情報発信は「成功例」が主体ですので、注意が必要です。
東京商工会議所が2010年に実施した「生産性向上に関する実態調査」では、「開発したソフトにより生産性は上がったか」という設問で、約4割が「変わらない」と回答し、中には「下がった」という企業さえありました。
「顧客との商談よりも、レポートを書いている時間が長くなってしまった」等の笑えない話も、よく耳にします。
往々にして、タブレット等のツールや手段に目が行きがちですが、まずは導入の目的をはっきりさせることが必要です。導入の目的は大きく分けて「売上を増やすため」か「経費を減らすため」かの何れかになります。
そのうえで、具体的かつ現実的な目標設定(受注率、原価率等)を行い、その目標達成に必要なツールを選定していきましょう。
なお、東京商工会議所では、「業績向上へのIT活用ハンドブック」という冊子を発行しています。まずはこの冊子に含まれる「IT化チェックシート」を活用して、業務のどこを何のためにIT化するのかを整理しましょう。
そのうえで、各商工会・商工会議所、東京都中小企業振興公社等の相談窓口に問い合わせ、ITの利・活用に強い専門家への相談や派遣を利用なさることをお勧めします。
詳しくは下記リンク先のホームページをご覧ください。
http://www.tokyo-cci.or.jp/page.jsp?id=29056