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6 危機管理・知財・CSR(知財・知識・マネジメント)

特許、実用新案、商標(ブランドなど)、意匠(デザインなど)、著作権、営業秘密など、知的財産の活用や流出防止に意識的に取り組んでいる

知的財産は多くの企業が保有する資産

 「知的財産」という言葉を最近しばしば耳にするようになりました。では知的財産とはどのようなものでしょうか。特許権や著作権などが思い浮かべられがちであることから、中小企業の経営に知的財産はあまり関係ないと考える経営者も少なくありません。

 しかし、知的財産基本法第2条によると、知的財産とは①人間の創造的活動によって生み出される物(発明、考案、植物の新品種、意匠、著作物など)、②事業活動に用いられる商品または役務を表示する物(商標、商号など)、③事業活動に有用な技術上または営業上の情報(ノウハウ・顧客リストなどの営業秘密など)と定義されています。この定義に従うと、知的財産は規模の大小にかかわらず、多くの企業が保有している資産だといえます。決して中小企業の経営に関係がないわけではありません。

知的財産は競争力の源泉

 これらの知的財産は法律などの定めによって保護されており、他者による模倣が制限されます。このため、知的財産は企業の競争力の源泉になるのです。

 しかしながら、大企業と比べると中小企業では知的財産を戦略的に活用する意識に乏しい傾向が伺えます(下表、右図参照)。中小企業においても、知的財産を自社の競争力の源泉として意識的に活用することが重要です。そのためには、知的財産について知識を深めて、自社および競合相手の知的財産を把握・整理する(6-9参照)とともに、自社の知的財産を管理する(6-10参照)必要があります。

Case Study

知財は企業の命運に関わることも

 医療機器や産業機器でオンリーワンの製品を生み出し続けるI社では、新しい考え方がまとまるとただちに特許を申請する。実現できるかどうかは問わない。中小企業の経営者は閃きがあり、アイディアは経験から生まれるので、特許を取るだけで物は作らなくても大丈夫という。かつて、主力製品の特許に関して外国の巨大企業から訴えられたが、社長は単身現地に乗り込み、勝訴を勝ち取った経験がある。
(脳外科用手術顕微鏡等製造・42人)

Step Up

(1)知的財産権の種類とその根拠法について知っている

 知的財産権には、創作意欲の促進を目的とした「知的創造物についての権利」(特許権や実用新案権、著作権など)と、使用者の信用維持を目的とした「営業標識についての権利」(商標権や商号など)に分けられます(下図参照)。このうち、特許権、実用新案権、意匠権、商標権を「産業財産権」といいます。

 保護される利益などに応じて根拠法が定められています。出願や登録によって権利が生じたり、保護される期間が定められている知的財産権もあります。根拠法のすべてを理解する必要はないでしょうが、自社が保有する知的財産権に関する重要な定めを知っておくと、何をどのタイミングで専門家(弁護士や弁理士など)に相談すればよいかを判断できます。

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