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日本の皆さんに上品な「中国コスメ」をお届けする

企業名:株式会社mimi-Japan  取材先ご担当者様:代表取締役:池田絵梨香氏

経営ビジョンの共有化で組織文化の醸成

創業から4年足らずの間に、売上の急激な増加や自社オリジナルブランドの開発、自社倉庫の構築、ECサイトの急伸などが相次ぎ、代表は「社内体制の整備が追いついていない」と感じていた。売上規模に対応した組織体制の構築が必要だあったが・・・

企業概要

株式会社mimi-Japan(代表取締役:池田絵梨香氏)は、浅草橋駅東口から徒歩3分の位置に本社を置き、化粧品の輸入卸売業を営む企業である。
代表の池田氏は学生時代に中国コスメに興味を持った。日本の若い世代にも需要があることを知り、父親が中国との貿易の仕事をしていた背景もあって創業を決意した。当初は中国製コスメの輸入代行ビジネスを個人事業で始め、2020年に法人化。主に中国の化粧品メーカーからメイクアップ用化粧品を輸入しており、現在では中国国内の8つの化粧品ブランドの日本総代理店となっている。代表の目利きにより上質な中国コスメを発掘し、日本で定着させることで、売上は1年目1億円、2年目3億円、そして3年目で4億円超と継続的に拡大し、現在では年商10億円を見据えて事業を展開している。売上の7割が卸売、3割がECサイトによる通信販売であり、コアターゲットは10代から20代の若い女性である。2023年4月には、自社初のオリジナルブランドの「tomei」を開発した。今後は代表の感性を商品開発に生かし、アイテム数の拡大とブランディングで他社との差別化を図っていく計画である。
また、創業メンバーで代表の右腕的な取締役の徐氏の存在も大きい。徐氏は日本語と中国語のバイリンガルでITリテラシーが高く、数値管理や海外調達に関する折衝に長けている。現在、代表が主に輸入化粧品の選定やオリジナル商品の開発、および国内販売先の販路拡大を担い、徐氏が海外調達の折衝を担うという役割分担である。池田氏と徐氏は経営パートナーとして、事業拡大に対し同じ熱量と方向性を持って事業を進めている。

企業の悩み

創業から4年足らずの間に、売上の急激な増加や自社オリジナルブランドの開発、自社倉庫の構築、ECサイトの急伸などが相次ぎ、代表は「社内体制の整備が追いついていない」と感じていた。「このままでいいのか」という疑問があり、売上規模に対応した組織体制の構築や従業員のモチベーション向上、組織文化の醸成が必要だと感じていた。創業以来、定期的な会議や1on1ミーティングで経営ビジョンなどの「想い」を従業員に説明してきたが、代表と徐氏が描く経営ビジョンの本当の意味合いを従業員が理解し、納得感を持って行動できるようになることが課題だと感じていた。今後年商10億円を目標にした時、「客観的に」何が足りないかの指摘を受け、代表の池田氏や徐氏が見えていない視点でアドバイスを受けたいという想いが強く、専門家による経営分析を受けることができる本プロジェクトに申し込みをした。

導き出された課題

経営分析の結果、指摘された課題は、①経営ビジョンの共有化、②役割別の人事評価制度の構築の
2点である。
今後の事業拡大を図るためには、池田氏と徐氏が想い描く経営ビジョンに対して従業員が共感し、浸透していくことが重要となる。経営ビジョンの実現に向けた行動指針を従業員が的確に理解し、行動に移すことができるように「従業員目線で言語化」することが必要とされた。
また、自社物流倉庫の運営やECサイトの拡大などの業務が多様化することで従業員の役割も専門化していく。一体感を保ちつつ従業員の意欲を喚起するには、透明性が高く納得感のある評価基準が必要であると判断され、職務ごとの人事評価制度が必要だと助言を受けた。池田氏は、これらの課題を解決するため、本プロジェクトのアシストコースを利用することにした。

提案された解決策

まずは、経営ビジョンの共有化である。現状分析や課題の抽出を行うなかで、代表が特に印象深かったのは、経営ビジョンに沿った行動指針の具体化である。これまでも、代表の池田氏と徐氏の想いを言語化した4つの行動指針があった。①自ら行動しろ、②全て受け入れる人になれ、③稼ぎたい人になれ、④生き残るための努力をしろ、である。それぞれの行動指針に対して従業員が理解できるように「サブコピー」を付け加えることで、理解度と浸透力の向上を図った。行動指針の意味や目的をより明確化することで、従業員が具体的な行動に移すことができるように促した。
次に、仕事に対するモチベーションを高めるため、職務に応じた評価制度を検討した。当社の業務としては、営業担当、海外折衝担当、デザイン担当、物流担当、EC担当があり、それぞれの業務内容が異なる。各業務担当者にヒアリングを行い、一緒に業務ごとの評価基準を検討することで、それぞれに合わせた透明性の高い納得感のある評価制度を検討した。
また、今回当社では初めてとなる子育てをする女性従業員を採用した。現在若い従業員が多く、今後は社員の結婚や出産などライフステージの変化も予想されている。今後は、モチベーションを高めながらライフステージに合った働き方の実現を進めていく。

提案した中小企業支援施策

その後の状況

池田氏が最も実感しているのは、目標に向かうマイルストーンのイメージが持てたことである。以前は、順調に売上が拡大する中で明確な意味もなく年商10億円という目標を掲げ、それに向かって邁進していくといった考えであった。しかし、行動指針の意味や目的をわかりやすく明確化することで、従業員の行動や意識の変化が促進され、組織基盤が強化されてきた。また、経営層の想いや経営ビジョンが従業員に伝わり、共感を生むことで組織の一体感が増していった。さらに、企業の成長ステージに適応した組織形成と企業文化の醸成が必要であることに気がついた。企業は人で成り立っている。当社のロゴマークにも人々が関係しあう意味合いが込められている。経営ビジョンを共有しながら、当社らしい企業風土をベースに会社の繁栄と従業員の自己実現が可能な体制づくりを進めている。

企業様の声

専門家に客観的視点で当社を診てもらうことで、非常に多くの「気付き」が得られました。経営ビジョンの言語化や伝え方、組織文化の重要性について教わりました。今では、経営ビジョンを共有しながら従業員のやりがいの向上を考えるようになりました。当社は従業員の平均年齢が20代後半という若い会社です。これから従業員の結婚や出産、子育てなどさまざまなライフステージの変化も発生すると思います。
今後は従業員の皆さんのライフワークバランスを整えながら、企業成長のステージに応じた体制づくりを進めてまいります。これからも専門家の方々のお力も借りながら、そして従業員一丸となって世界の美を日本中に届けたいと思います。
(代表取締役:池田絵梨香氏)

支援者の声

当社の強みは「池田社長の感性と徐氏の論理性、そして従業員の士気の高さ」です。その強みを十分に発揮できるように、経営ビジョンの共有や透明感のある評価制度をいかに浸透して行けるかをテーマに支援いたしました。アシストコース終了後も、アドバンスコースで、更なる実効性の高い支援に移ってまいります。
(東京商工会議所:坂田和也氏)

企業情報

企業名 株式会社mimi-Japan
代表者 代表取締役:池田絵梨香氏
創業年 2020
業種 卸売業(化粧品の輸入卸売業、EC サイトで小売販売)
所在地 東京都台東区柳橋2-14-4 セントラルビル9F
事業PR
URL https://www.mimi-japan.co.jp/


中小企業診断士 喜多佐智浩

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