SNSを活用して顧客との『つながり力』を高めよう!
大手企業を中心にマーケティングのデジタル化はますます進んでいますが、「中小企業は関係ない」と思っていませんか? 業種によってやり方の違いはあれど、マーケティングにデジタル技術を活用している中小企業の皆様も数多くいます。SNSを活用したそのやり方をみていきましょう!
(掲載日 2021/10/04)
「SNSを活用して顧客との『つながり力』を高めよう!」
■まずは顧客を分類しよう
「顧客」といっても顧客の状態は様々で、購入の状態等によって以下のようにわけることができます。
潜在顧客 | 自社の商品・サービスを知らない顧客。まだ存在は知らないが、知れば購入や利用に至る可能性のある顧客です。(「こんなものがほしい」という自分のニーズを認識している場合や、まだそのニーズに気づいていない場合もあります。) |
見込み顧客 (顕在顧客) | 自社の商品・サービスを知っており、自分のニーズも認識している顧客。自社の商品・サービスに対して興味・関心度がある顧客です。 |
新規顧客 | 自社の商品・サービスの購入に至った顧客。0回→1回の段階の顧客です。 |
リピーター | 自社の商品・サービスを複数回利用していただている顧客。1回→2回、2回→3回などの段階の顧客です。 |
ファン | 回数ではなく、自社の商品・サービスの支持者、愛好者となっている顧客。複数回利用しているという点ではリピーターと同じですが、自社の商品・サービスへの愛着がある部分で異なります。 |
様々な状態の顧客がいて、つながり方も異なってくるので、分けて考えるようにしましょう。
■顧客とつながる狙いは?
それぞれの顧客の状態において、何らかの「接点」を作り、深められた場合の企業側の期待を整理してみましょう。
【期待1】認知度向上(対潜在顧客、対見込み顧客)
まずは自社の商品・サービスを「まずは知ってもらう」ことが必要です。潜在顧客とつながることができれば、自社の商品・サービスを知ってもらうことができます。この段階の「つながり」(接点)を作ることが難しいため、多くの会社がCMや広告など多額の費用をかけて、この「つながり」を求めています。
【期待2】売上拡大(購入促進)(対見込み顧客、対新規顧客、対リピーター)
当然ですが、知ってもらった次の段階では、自社の商品・サービスを「購入してもらう」ことを狙います。見込み顧客や新規顧客以上との「つながり」を保ち、適切なコミュニケーションを取ることで新規購入やリピート購入に至るようにします。
【期待3】ロイヤリティ向上(対新規顧客、対リピーター、対ファン)
最終的には自社の商品・サービスを「使い続けてもらう」だけでなくファンになってもらうことを狙います。リピーターと「つながり」を保ち、ブランディングを高めることで、愛着を持ってもらい、使い続けてもらうばかりでなく、口コミで他の顧客への販促活動を行ってくれるという効果も期待します。
■SNSとは?
それぞれの顧客との「つながり」を保つためにどのようなSNSを活用できるのかを見てみましょう。
最初にSNSについて簡単に説明します。SNSとはSocial Network Service(ソーシャルネットワークサービス)の略で、様々な人と交流できるサービスの総称です。今や多くの人にとって生活の一部となっており、ビジネスシーンでも多く活用されています。様々なSNSが存在しますが、ここでは利用者数が多い4つのSNSをご紹介します。
出典:GaiaxソーシャルメディアラボWebサイト(https://gaiax-socialmedialab.jp/post-30833/)を参考に筆者作成
■SNSを使った顧客とのつながり方
これらSNSを使ったマーケティングでは、どのようなことができるのか見てみましょう。
(活用例)
SNS広告の配信 | SNSではターゲットを絞った広告配信をできることが特徴のため、費用を抑えたターゲット広告の配信が可能です。潜在顧客に他の広告と比べ、安価にアプローチすることができます。 |
キャンペーン開催 | SNSならではの双方向なキャンペーンができるため、既存顧客ばかりではなく、潜在顧客との関係構築にも効果的です。 |
自社の商品・サービス情報の発信 | 商品・サービスの情報だけでなく、便利な使い方やレシピなど周辺の情報も発信していくことでブランディング効果も狙えます。 |
コメント投稿 | SNSにはコメントという機能があり、ユーザーのコメントに丁寧に返答するなどのコミュニケーションをとることでファン獲得も狙います。 |
このようにSNSでは、様々な方法で顧客と「つながる」ことが可能になっています。
■既存顧客とのつながりに目を向けてみよう
マーケティング活動において、SNSが活用されるようになってきましたが、実際にこれらをすべてやるのは大変です。
そこで様々な顧客状態の中でもマーケティング活動において、意外と見落とされがちな「既存顧客とのつながり」で何ができるかを見てみましょう。
売上アップというと、どうしても「新規顧客の獲得」に目が行きがちです。もちろん新規顧客の獲得は重要ですが、既存顧客の維持も重要です。
みなさんは1:5の法則というのをご存知でしょうか? 1:5の法則とは「新規顧客を獲得するためには、既存顧客を維持するコストの5倍かかる」というものです。できるだけコストを抑えて売上拡大が図れれば、利益アップにもつながってきます。「既に取り組んでいる」という企業も、SNSを活用すれば、さらに「つながり力」を高めることができるかもしれません。
■活用事例
それでは既存顧客との「つながり力」を高めている例として、LINEを使った事例を見てみましょう。
まず、LINEの活用においては、企業用のLINE公式アカウントを開設することが必要になってきます。アカウント開設は無料で行えます。また1ヶ月に1000通まででしたら無料でメッセージの配信ができますので、詳しくはLINE公式アカウント公式ページをご確認ください。
(LINE公式アカウント詳細:https://www.linebiz.com/jp/service/line-official-account/)
コロナ禍で休館を余儀なくされたが、自粛で運動不足になりがちな会員が自宅でトレーニングできるよう、インストラクターによるレクチャー動画をライブストリーミング配信するなど、定期的に顧客とのコミュニケーションをとり、当初想定した落ち込みを抑えることができた。
【事例2】精肉店
メインターゲットの主婦層の生活サイクルに合わせて、家事がひと段落する朝8〜9時か夜22時頃に週1回のペースでメッセージを配信したり、LINEチャットでの「簡単に作れるひき肉レシピが知りたい」といった質問にひとつひとつ答えるコミュニケーションをしたりして、売上アップにも貢献している。
【事例3】個人エステ店
「LINEで予約ができれば便利なのに」というユーザーからの要望を得て、LINE公式アカウントを開設。ワンオペ(ワンオペレーションの略。一人ですべての業務を行うこと)のため、以前は施術中にかかってくる電話対応に頭を悩ませていたが、LINEの機能を使うことで解決し、双方向のコミュニケーションを実現している。
出典:LINE公式アカウント業種別事例(https://www.linebiz.com/jp/service/line-official-account/case-study/)をもとに筆者作成
もちろん、LINE以外のサービスでも様々な実施方法がありますので、適宜活用してみてください。