単なる造園業者では終わらない取り組み　～アートフラワーが創りだす快適空間～

企業概要

株式会社花とみどり社は、現会長の深井氏が昭和42年に切り花店として創業し、昭和54年に法人化した。現在では観葉植物のリースや販売、アートフラワーや造園・花壇等の施工およびリースや販売等を行っている。

事務所・病院・商業施設等に対しての観葉植物の月極めリースを中心とする「アーバン事業部」と、東京ビッグサイト等の展示会会場やホテルのパーティ会場等でのイベントにおける観葉植物やアートフラワーを活かしたディスプレイや仮設造園等をおこなう「イベント事業部」がある。

企業の悩み

景気低迷によるイベント需要の減退に、自社温室・倉庫および本社ビル取得による経費増大等の影響も加わり、売上高、利益が減少している。今後、売上高、利益の増大を図るため、新たな販売先の開拓や積極的な販売促進活動をしていかなければならない。

導き出された課題

中小企業診断士による企業診断の結果、いくつかの課題が浮き彫りとなった。中でも特に、アーバン事業部やイベント事業部の受注拡大に加え、高品質であるネオグリーンやライムライトを主力商品として販売に注力していくことが必要である。

そのための具体的な策として、①展示会等への出展、②近年創設した「P－Stage会員」制度の推進、③金融機関からの円滑な借入の継続等があげられる。


①展示会等への出展については、現在多くの種類の人工芝が市場に出回っているため、ネオグリーンの素材の安全性、耐久性、機能性等の商品品質や、商品の供給体制が整備されている点を広く知ってもらうためのプロモーション活動が必要になる。

②近年創設した「P－Stage会員」制度の推進については、たとえば、価格割引メリットの他、販売先を組織化して、商品説明会や施工講習会等を開催することで、強固な関係性を構築していき、人工芝の施工業者等の囲い込みを図っていくことが重要である。

③売上高や利益の増大による借入金の圧縮に加え、当社の決算書ではわからない（数値では表れない）強みを整理して金融機関に示すのも有効である。具体的には、観葉植物やアートフラワーを活かしたイベントのディスプレイや仮設造園は償却済み資産であり、あらゆるイベントに対応可能であること等である。

提案された解決策

浮き彫りになった課題を解決するにあたり、当社は少人数体制での運営であるため、まずは従業員一人ひとりのスキルアップが必要不可欠となってくる。そのためには、社内におけるOJT研修の他、東京商工会議所や東京都中小企業振興公社等の外部研修や各種セミナー、外部研修等を積極的に活用することが望ましいとされた。また、展示会出展をきっかけに業界関係者にコンタクトすることは有効であるため、助成金を活用して出展するよう勧められた。

提案した中小企業支援施策

展示会等出展支援助成事業 東京都中小企業振興公社
新・経営力向上TOKYOプロジェクトの企業診断を受け、出展の有効性が認められることなどを条件に、展示会への出展料・ブース装飾費用や、カタログ製作費用等について、助成金を受けることができる。

• 専門家派遣事業
  企業経営上の様々な課題を解決するために、専門家が企業の現場へ出向いて支援致します。

その後の状況

展示会等出展支援助成事業を活用して、業界関係者が多く来場するため効果的と考えられる「ブライダル産業フェア」、「建築建材展」に出展した。さらに今後は「エコハウス＆エコビルディングEXPO」等にも出展予定であり、他の出展者のブースに見劣りしない装飾やディスプレイ等を行なうことが大切である。特に、業種柄、装飾やディスプレイそのものが当社のアピールとなることから、丁寧に対応していく必要がある。また、ホームページ等での告知をおこない、なるべく多くの来場者に立ち寄っていただく工夫も求められる。それにより、今後の取り引きのきっかけ作りとしていきたい。

企業様の声

新商品であるライムライトが軌道に乗り始めており、当社のフロント商品であるため、アーバン事業部やイベント事業部へのプロモーション効果や売上高向上等の波及効果も期待できる。
今後は、簡単ではないがもう一度すべての仕事を輝かせて、次の代へとバトンタッチしていくことを望んでいる。

企業情報

平成26年11月27日
中小企業診断士　山田　晃裕