助成金・補助金等、経営力UPの経営情報が満載!

活力向上ハンドブック

活力向上ハンドブック経営力アップのための70のビジネスメソッドと10の財務指標
会員登録すると、
新規会員登録はこちら
お気に入りに追加 シェアツイートLINEはてぶ
10の財務指標(成長性指標)

経常利益増加率

企業の成長性を利益からチェック

 成長性は、売上や利益などの増加率を時系列で把握することにより分析します。
ここでは、経常利益増加率を把握します。

経常利益増加率(%)=(経常利益-前期経常利益)÷前期経常利益×100

 「経常利益」とは、企業が本業を含め、普段の事業活動から得られる利益であるため、経常利益増加率がプラス(高い)ということは、企業の力が高まっていることの現れと考えることができます。

 ただし、前述の売上高増加率と合わせて、自社のポジションを見極め、損益計算書によって深く分析することが必要です。

 問題となるのは、経常利益増加率がマイナス「③増収減益」あるいは「④減収減益」の場合です。

 「③増収減益」、つまり売上高が上がっていても経常利益が減少している場合には、売上高から売上原価を差し引いた「売上総利益」の増減をチェックしましょう。「売上総利益」が減少していれば、商品自体の採算性が落ちている可能性が高いので、商品別、市場別、地域別、あるいは店舗別の採算状況を分析し、採算性が落ちている原因がどこにあるかをつき止める必要があります。そのうえで、競合他社の動向をみながら、販売戦略や販売計画を見直していきましょう。例えば、好採算の商品を重点的に売り込んだり、商品の機能や精度、品揃え、あるいはアフターサービスなどによって差別化できたりするのであれば、徹底的な差別化戦略によって、価格競争による採算性低下を防ぐことが可能です。「売上総利益」が増加しているのにもかかわらず、経常利益が減少している場合には、販売費、一般管理費、支払利息などが売上高の伸び以上に増加していますので、業務の効率化などによる経費削減が必要です。

 「④減収減益」の場合には、まずは、売上高の分析をまず行うべきです。そのうえで、商品の採算性確保策や経費削減策を講じていくことが重要です。

 なお、「②減収増益」の場合には、比較的高給のベテラン社員の退職などの特殊要因がまず考えられますが、好採算商品・分野への絞り込みなどによる結果であれば、好ましいものといえるでしょう。安定した経営のためには、やはり「売上」よりも「利益」が重要なのです。

Step Up

前の記事 一覧ページに戻る次の記事

< ハンドブックTOP

pagetop