6 危機管理・知財・CSR
労働者派遣と請負の区別についてご存じですか?
- 当社は主にソフトウェアの受託開発やシステムの運用・保守を行う企業です。
これまで、開発したシステムの運用のため、請負契約を結んだうえ客先に社員を常駐させ、客先の指示で動いてもらってきました。
先日、客先から「内部監査で“コンプライアンス上問題があるので契約を見直すように”と言われた」と伝えられました。
具体的に何が問題で、どういう対策を取ればよいでしょうか。 - ここにいうコンプライアンス上の問題とは、労働者派遣に関する法規の潜脱のことを指していると考えられます。
労働者派遣契約と請負契約の違いは、労働者が誰の指示に従って労働するかにあります。
請負契約においては、労働者は請負人(御社)の指揮命令に従い労働します。
一方、労働者派遣契約においては、労働者は派遣元企業(御社)との間に労働契約を締結した上で派遣先(客先)に派遣され、派遣先の指揮命令に従って労働します。
労働者派遣契約においては、派遣先企業は労働者に対して指揮命令を行う権利を持つ反面、労働環境を適正に保つ義務を負います。
派遣先企業が労働者に対する責任を免れる意図で、契約上請負または業務委託の外形をとること(偽装請負)が社会問題になったのは記憶に新しいところです。
労働者派遣、請負のいずれに該当するかは、契約形式ではなく、実態に即して判断されることになっています。
常駐する方が客先の指揮命令に従うのであれば、労働者派遣として契約を結び直さなければなりません。
自社の常用雇用労働者を派遣することは、特例労働者派遣事業にあたり、厚生労働大臣への届出を行う必要があります。
なお、登録者や臨時雇用労働者を派遣する場合(一般労働者派遣事業)とは異なり、資産や現預金の要件はありません。
詳しくは下記リンク先(厚生労働省)のPDFファイルをご覧ください。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/dl/tekisei.pdf