6 危機管理・知財・CSR
技術開発のために著作物を利用する際のルールをご存じですか?
- 当社は、大手メーカーの協力会社として、スキャナ等の光学機器に使用する部品を開発しています。
研究開発業務のテスト用として、新聞や書籍、雑誌をコピーしたPDFファイルを、事業所内の全従業員がアクセスし、閲覧できるサーバに保存していますが、法的に問題はないでしょうか。 - 録画機器などの著作物の利用を目的とした機器の開発などの際には著作物の利用が広範に行われており、例えば、企業が録画機器を開発するに当たって、実際に映画等の著作物を素材として録画するといった行為が行われています。
こうした行為は、通常著作権者の利益を不当に害するものではありませんが、著作権侵害に問われるおそれがありました。
そこで、平成24年改正著作権法では、公表された著作物は、著作物の録音・録画等の技術の開発又は実用化のための試験の用に供する場合には、その必要と認められる限度において利用しても侵害行為に当たらないことが明確に規定されました(著作権法30条の4)。
ご相談事例の場合、たとえ実際にスキャンや印刷をして性能を確認する等、機器の開発のために使用するとしても、「事業所内の全従業員がアクセスし、閲覧できるサーバに保存」する行為は、上記「必要と認められる限度」を超えていると考えられます。
これは著作権侵害行為であり、刑事罰が課されることもありますので、研究開発に従事する方のみ閲覧可能とするなど、限度を超えないようにされることをお勧めします。
詳しくは下記リンク先のホームページをご覧ください。
http://www.bunka.go.jp/chosakuken/utsurikomi.html