5 財務管理
中小企業でも利用できる会計ルール「中小会計要領」をご存知ですか?
- 当社は、電子部品の卸売と一部加工も行っている小規模企業です。
従来、経営者である私の頭の中で、利益の予想や資金繰りはでき、特に問題はなかったのですが、後継者への事業承継や金融機関からの融資など将来のことを見据えて、数字を適切に管理していきたいと思っています。
中小企業の会計について調べたところ、「中小企業の会計に関する指針」というのが出てきましたが、中身が難しく、経理の人員が限られる当社には向いていないようです。
他に何か、当社のような小規模な企業でも使えるような会計ルールはありますか? - 限られた経理人員により、取引先、金融機関等の信頼を得られる会計処理を行うため、中小企業庁や金融庁などが関わって策定された「中小企業の会計に関する基本要領(中小会計要領)」の採用を検討されてはいかがでしょうか。
ご質問にある「中小企業の会計に関する指針(中小指針)」は、平成17年に策定されたもので、上場企業の会計に関するルールと整合性がある、精緻なものです。
しかし、経理の人員が少なく、会計情報開示を求められる範囲も限られる中小企業にとっては、ハードルが高い面がありました。
そこで、中小企業の実態に配慮し、多くの中小企業の実務で必要と考えられる項目に絞って、簡潔な会計処理を示した要領として平成24年2月に策定されたのが、上述の中小会計要領です。
この中小会計要領では、例えば下記のような簡便な処理が可能となっています。
・貸倒引当金原則的な処理の他に、法人税法上の法定繰入率で計算する方法も可能とする。
・有価証券売買目的有価証券以外は、有価証券の評価方法を原則取得原価での計上としている。
・棚卸資産他の評価方法とともに、中小企業で法人税法上認められている最終仕入原価法での評価も利用できるとしている。
この中小会計要領の普及を促進するため、同要領を採用する中小企業について、日本政策金融公庫では金利を優遇する融資制度が設けられ、保証協会付き融資では信用保証料率を0.1%割り引く制度が設けられています。
資金調達時は、これらの制度をご活用いただけるメリットがあります。
詳しくは下記ホームページをご覧ください。
http://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/youryou/