5 財務管理
消費税転嫁対策特別措置法で認められる転嫁カルテルと表示カルテルをご存じですか?
- 当社は、レストラン、居酒屋、スナック等の業務店に冷凍食品や乾物等の加工食料品を納める卸売業者で、一部小売も行います。
実は、平成元年の消費税導入時に十分に価格転嫁ができなかったという経緯があります。
最近は円安等で仕入価格が高騰していて厳しいこともあり、今回は同業他社と連携して、消費税増税分を転嫁したいと考えています。
同業他社と共同して消費税の転嫁を行う点について、国から方針が出されていると聞きましたが、その内容がまだよくわかっていません。
改めて説明していただけますか? - 独占禁止法ではカルテル(事業者等が商品の価格等を共同で取り決め、競争を制限する行為)を禁止し、違反が発覚した場合は課徴金など厳しい罰則が科せられます。
平成25年10月1日から施行された転嫁対策特別措置法では、独占禁止法の例外として、事業者または事業者団体が公正取引委員会に届出をすると、平成26年4月1日から平成29年3月31日までの間、商品または役務の供給について、「転嫁カルテル」および「表示カルテル」をすることが認められます。
(1)転嫁カルテル転嫁カルテルとは、消費税の転嫁の方法の決定に係る共同行為のことです。
具体例として、
「事業者がそれぞれ自主的に決めている本体価格に消費税額分を上乗せする旨の決定」、
「消費税額分上乗せした結果、計算上生じる端数を切り上げ・切り捨て・四捨五入等により合理的な範囲で処理することの決定」
が挙げられます。
転嫁カルテルは、参加事業者の3分の2以上が中小企業者であることが必要な点と、本体価格に関する取り決めは今回認められる「転嫁カルテル」にはあたらない点にご注意ください。
(2)表示カルテル表示カルテルとは、消費税についての表示の方法の決定に係る共同行為のことです。
具体例として、税率引き上げ後の価格について
「消費税込み価格と消費税額を並べて表示する」、
「消費税込み価格と消費税抜き価格を並べて表示する」
等の統一的な表示方法を用いることが挙げられます。
転嫁カルテルと異なり、表示カルテルは全ての事業者や事業者団体が対象となります。
転嫁カルテル・表示カルテルについては、届出書の様式が定められており、公正取引委員会のWebサイト(下記リンク先)から入手することができます。
申請にあたってはそちらをご覧ください。
詳しくは下記ホームページをご覧ください。
http://www.jftc.go.jp/tenkataisaku/todokede-syorui.html