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外部の視点と視線で社内が活性化 ~様々な支援施策を活用し成長軌道に乗る~

企業名:株式会社クロスワン  取材先ご担当者様:代表取締役 品川 全 様

外部の視点と視線で社内が活性化、様々な支援施策を活用し成長軌道に乗る

業種から写真業界に進出し、業界内とは違った視点でさまざまなアイデアを思いつき特許や商標登録を行っていったが、どのように市場を開拓していけばよいのか……

企業概要

 株式会社クロスワン(代表取締役:品川 全 社長)は平成2年創業のソフトウェア開発を手掛けている企業である。現在はインターネット経由のDPE(写真を現像、焼き付け)事業を主に展開している。品川社長は平成2年に車一台の飲食業から起業し、実店舗を4店構えるまでに成長させた。軌道に乗せた事業は売却し、自らは自動販売機の販売事業にシフトした。携帯電話が普及し始めると、携帯電話関連の自動販売機を自社で開発製造するようになる。そこで制御系の知識を取得し、ノウハウを蓄積してソフトウェア開発の会社を興した。大手企業との取引もあり順調に進むかと思われたが、写真関係のソフトウェア開発を受託した発注先の企業が、民事再生を申請し2,000万円の貸し倒れが発生してしまう。ここで社長は2000万円を損失としてとらえるのではなく、開発したソフトウェアを自社で事業化するための投資と位置付け、さらに1000万円を追加して写真の現像設備を導入した。ここから新たに写真業界へと進出することとなった。

企業の悩み

 異業種から写真業界に進出し、業界内とは違った視点でさまざまなアイデアを思いつき特許や商標登録を行っていったが、どのように市場を開拓していけばよいかが悩みとなっていた。

導き出された課題

 開発された商品は潜在的ニーズが非常に高く成長性が期待できる。しかし、それを一気に世間に認知させる力が劣っており、営業力の強化が課題とされた。また認知度が向上すれば、需要も急増し生産能力の拡大が必要となる。その時に迅速に資金調達できる仕組みづくりも必要とされた。

提案した中小企業支援施策

 上記の課題を解決するために利用できる中小企業支援施策として、中小企業診断士や商工会議所の経営指導員によるフォローアップ訪問で以下の提案がおこなわれた。



としまものづくりメッセ

豊島区


独自の技術を持った区内企業などが、それぞれ自慢の製品や技術を一堂に展示した産業見本市である。ここに出展することで自社の技術をアピールし、認知度の向上を図った。



企業商品情報

東京都中小企業振興公社


東京都中小企業振興公社が、企業の開発商品、技術、サービスに関する情報を提供することにより、企業間取引の促進を図ることを目的しているサービスであり、当社もここへ申請をおこなって商品の認知度向上を図った。



ニューマーケット開拓支援事業

東京都中小企業振興公社


「ビジネスナビゲータ」が中小企業の優秀な製品、高度な技術力を商社・メーカー等に積極的に紹介することで、販路先の開拓を支援する事業である。当社でも実際に活用し、40人近い「ビジネスナビゲータ」が大手商社や家電量販店などとのパイプをつなげてくれたことで販路開拓が実現できた。



経営革新計画の認定

東京都産業労働局


写真業界の慣習にとらわれず、新しい商品開発を行い市場の掘り起こしを始めるべく、経営革新計画を立案し、その計画を東京都に認定いただいた。

その後の状況

 展示会への出展、企業商品情報への掲載などにより認知度の向上が図れたとともに、ニューマーケット開発支援事業を利用したことで実際の取引先が開拓できた。この結果、受注が増加し市場の掘り起こしが実現しつつある。経営革新計画の認定にあたっては、事業計画が全社員に浸透できたことで営業力の強化が図れた。また従業員が計画書を作成し、それが外部から認められるという経験をしたことでモチベーションも向上した。これらの効果によって前期8900万円の売上高が、今期は2億円に到達する見込みである。

 さらに経営革新計画の認定を得られたことで金融機関、信用保証協会からの信用度もあがり、今後必要とされる設備資金の円滑な調達が可能となった。

企業様の声

 今回、本プロジェクトの企業診断をはじめ、複数の支援施策を使用させてもらった。様々な専門家のアドバイスを素直に聞き入れ、丁寧に実践していったことで今回の成果につながったと思っている。経営者の意見ではなく第三者の専門家が意見することで、従業員の取り組み姿勢にも変化があった。同時に第三者の目が入ることで、作業内容や期日も明確になり、進捗管理も意識するようになった。外部の目が入ることで、整理整頓も自然と促進された。このような外部の専門家による経営診断や専門家派遣制度は、中小企業には必須であると感じており、ぜひ多くの中小企業で利用してもらいたいと願うともに、支援団体側には積極的なPR活動を望む。

 今回当社でうまくいったのは、中小企業診断士などの専門家によるヒアリングが従業員にも行われたことも一つの要因ではないだろうか。企業診断の場合は、1回目に経営者にヒアリングをして、2回目は従業員にヒアリングをすることで現場の実態を知り、3回目に経営者とすりあわせることで、より現場に即した深みのある診断が行えるのではないかと思う。これからもこのような中小企業支援施策には大いに期待したい。

企業情報

企業名 株式会社クロスワン
代表者 品川 全
創業年 平成2年
業種 ソフト開発、DPE
所在地 東京都豊島区高松2-47-5
事業PR
URL http://www.9631.co.jp

平成22年9月29日
山口 亨

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