人生ってこんなに面白い、英語が話せるようになる保育園
企業名:合同会社Coco.International 取材先ご担当者様:代表:武田沙織氏
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少人数で子どもにあった成長をサポートできる園を作りたいという思いを実現するために開業し、園児を早く集めたい一心で、武田氏が自身でモノレールの駅舎にチラシを設置するなど、考えつく限りの集客施策を実施したが・・・
企業概要
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合同会社Coco.International(代表:武田沙織氏)は南武線西国立駅から徒歩4分に位置する認可外保育園である。
代表の武田氏は、20年間教育業界に携わっており、認可保育園、幼稚園、バイリンガル保育園の園長の経験を積んだ上で、少人数で子どもにあった成長をサポートできる園を作りたいという思いを実現するために開業に至った。
当園は、「生涯学び続ける、人生を楽しむ人」を育てる園をコンセプトにした、6か月~5歳児を対象とする認可外保育園である。主な特徴としては、一日中英語で過ごす保育園であり、海外留学のような体験ができる環境となっている。また、園児ごとに成長記録をつけて成長段階にあわせたカリキュラムを作成し、モンテッソーリ教育やArt、算数、サイエンスなどの多彩なレッスンで学びの場を提供している。7時30分から20時30分まで開園しているため、長時間預けることが可能であり、共働き世帯も安心して子どもを預けることができる。
企業の悩み
2022年の開設当初から教育に関しては自信を持っており、保護者からも高評価を得ていた。スタッフ全員が保育理念に共感し、モチベーションが高い。授業内容を協議する職員会議も意見が活発に出て盛りあがり、時には時間が延びてしまうことがある。一方で、ホームぺージを作成し、新規入園児の獲得のためのマーケティングを試行錯誤しながら行っていたが、思うような結果が出ず難しさを感じていた。
園児を早く集めたい一心で、武田氏が自身でモノレールの駅舎にチラシを設置するなど、考えつく限りの集客施策を実施したが、なかなか新規入園児は増えなかった。当初計画していた園児数には達しておらず損益分岐点を下回る状況が続いた。2023年4月には在園児が9人となり、閉園の可能性も出てきていた。何をどのように変えればいいかわからないでいた武田氏は、園児が思うように集まらない悩みについて誰かに相談したいとずっと考えていたものの、相談する機会をなかなか持てずにいた。そのようなとき、経営相談ができる場所があるという情報を得て、立川商工会議所を訪れて悩みを打ち明けた。すると、専門家による経営分析を受けることができる本プロジェクトを紹介された。
導き出された課題
経営分析の結果、専門家から指摘された課題は、①新規入園児の獲得のためのマーケティング強化、②軌道に乗るまでの資金繰り改善、の2 点である。
今後の事業拡大を図るためには、損益分岐点に達するために園児数を増やすことが重要となる。予算をかけずに広告宣伝を行うために、集客基盤となるホームページのコンテンツの抜本的な見直しに、早急に取り組んだほうがよいと提案を受けた。
更に、資金繰りが厳しい状況だったため、金融機関に返済計画の見直しを相談する必要があると助言を受けた。武田氏は、これらの課題を解決するため、本プロジェクトのアシストコースを活用することにした。
提案された解決策
まずは、新規入園児の獲得のためのマーケティング強化である。ホームページの作りがわかりにくく、当園の強みもアピールできておらず、潜在顧客層への情報発信が不十分であったため、緊急で改善に取り組むこととなった。当園が持っている英語教育や多彩な学習カリキュラムの強みを、わかりやすい具体的なキャッチコピーにして掲載し、園の様子がわかる動画や画像を多く載せた。また、改めて対象保護者のニーズや競合他園の分析を行った結果、長時間保育に対するニーズが高いが対応可能な他園は少ないとわかった。その点を踏まえて、SEO対策を意識したコンテンツ制作を行った。武田氏は「本当に何から改善すればよいかがわかっていなかったので、当園の強みをどう伝えたらよいのかをアドバイスをいただき大変ありがたかったです。専門家の先生に教わりながら劇的な改善ができました」と振り返る。また、資金繰りについては、メインバンクである地元信用金庫への最適な相談方法のアドバイスを受けた。
提案した中小企業支援施策
- アシストコース(中小企業活力向上プロジェクトネクスト)
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その後の状況
ホームページの改善に取り組んだ結果、入園に関する問い合わせが殺到し、一時は体験入園の受け入れを停止するほどに大きな反響があった。その結果、2023年4月の初回相談時に9名であった園児数が、2023年9月末には20名と2倍超にまで伸長した。園児が増加したことで損益分岐点を上回り、収支状況も大幅に好転し、金融機関からの融資も順調に返済ができている。相談当初は閉園という選択肢があったほど厳しい状況だったが、当園の他にはない強みが認知され、見事なV 字回復を果たした。また、近隣の好立地物件の入居打診を受けており、今後は移転拡張も視野に入れるまでとなっている。専門家から経営やマーケティングの助言を受けたことで、事業に対する不安が払拭された。収益も向上したことにより自信がつき、今後更に広く事業展開したいという想いが芽生え、次の目標にむけて踏み出したいと考えている。
企業様の声
商工会議所に相談し、不安な状態が180度変わりました。専門家に改善点を的確にアドバイスいただきサポートを得られたことは大変心強く感じ、相談できる人や場所があるとわかったことが本当に原動力となりました。
これからも商工会議所や専門家の方々のお力を借りながら、園児も先生も心から楽しんで過せる場所にしていきたいと思います。
(代表:武田沙織氏)
支援者の声
「本プロジェクトの事例集に掲載されるようにV字回復しよう」を合言葉に、全力投球で支援させていただきました。それは、当園でしか体験することができない学びと楽しさに満ち溢れた保育園であることを確信したからです。
相談を重ねる中で印象的だったのは、武田氏の「相談の日が本当に楽しみ」という言葉でした。私たち支援者側も決して現状を悲観することなく、時には話が脱線して笑い話もありながら、集客強化のためのPDCAを繰り返しました。園児は相談当初の2倍超となり、今では移転拡張の計画が進んでいて、私たちも信じられないほどです。
当商工会議所は、いい意味で先生らしくない親しみやすい専門家がそろっていますので、ぜひお気軽にご相談いただけるとうれしく思います。
(立川商工会議所:柳沢真理氏)
企業情報
企業名 | 合同会社Coco.International |
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代表者 | 代表:武田沙織氏 |
創業年 | 2022 |
業種 | 児童福祉事業(認可外保育園) |
所在地 | 東京都立川市羽衣町1-19-3 プランドールハイム1F |
事業PR | |
URL | https://www.cocointernational.jp/ |
中小企業診断士 鈴木好之