景気が低迷する中、新たな収益の柱を模索 -「蓄光材」を使った新商品で会社の将来像が明確に!-
企業名:有限会社タマワークス 取材先ご担当者様:代表者 奈良 進 様
既存の事業だけでは売上減少に歯止めがかからないため、今後の新たな収益の柱として、『蓄光材』を利用した新製品を試作した。しかし、どのように販売展開したらよいか
企業概要
有限会社タマワークス(代表取締役:奈良 進)は、眺望の美しい多摩川の川沿いに位置する、平成14年に設立した会社である。
主に、金属・樹脂加工品、成形品、アミューズメント機器組立、POPキット組立などを扱っており、「短納期・小ロット」の案件にも対応できることが当社の強みになっている。
最近では、蓄光石を細かく粉砕し、特殊加工を施した『蓄光材』を利用した新製品に力を注いでいる。蓄光石自体は無害であり、経年変化によって輝度が落ちることはく、日光(紫外線)を蓄光し、約20分間発光するものである。ブラックライトを照射することで、常時発光する状態を作ることも可能である。
企業の悩み
当社では、『蓄光材』を利用した新製品を世に出すため、『蓄光材』の新たな利用法を常に模索している。たとえば、飲食店やバーなどに置くアクアリウム(観賞魚飼育)オブジェクトへの活用や、『出口』案内表示の電光掲示板などを想定している。
景気が低迷する中、既存の事業だけでは売上減少に歯止めがかからないため、今後の新たな収益の柱として、『蓄光材』を利用した新製品を試作した。しかし、どのように販売展開したらよいかについて、悩んでいた。
また、当社では、事業承継予定の代表者の子息(27歳・当社勤務)がいるものの、会社の将来像が明確になっていないため、現状のままでは円滑な事業承継ができるかどうかについても不安を抱いていた。
導き出された課題
ヒアリングの結果、中小企業診断士からは、せっかく後継者がいながら、「会社の将来像」が明確になっていないため、当社が今後生きていくべき、戦うべき事業領域が特定されていない点が指摘され、どのような商品・サービスで差別化を図るかなどを含め、早い段階で、事業計画を策定する必要があると提案された。
提案された解決策
中小企業診断士からは、(1)会社の将来像の明確化、(2)将来像に合った人材育成計画、(3)業務の見える化が重要であると提言された。また、短期的な個別課題として、「経験と勘」による経理をデータに基づく経理へ脱却することと、公的な助成制度の活用が述べられた。
具体的には、タマワークスとして地域オンリーワンのブランドを構築するために、3年後の当社の将来像を明確化し、これをベースに中期的な目標を設定したうえで、具体的な実現の計画、その計画に基づいた行動を行うことが提案された。
提案した中小企業支援施策
上記課題を解決できる中小企業支援施策として、以下の施策の活用を勧めた。
- 専門家派遣(エキスパートバンク)
小規模事業者の皆さんがお持ちの経営課題に対応する登録エキスパート(専門家)を直接事業所に派遣し、具体的・実践的なアドバイスによって問題の解決に役立てていただくものです。
企業様の声
今回、中小企業診断士から勧められた「受注開拓緊急支援助成事業」の申請を行い、『蓄光材』を利用した新製品のカタログを作成した。このカタログは、すでに営業ツールとして活用している。
また、展示会への出展を検討したものの、今の段階で出すべきではないと判断し、今回は見送った。
展示会の出展は行わなかったものの、今回、企業診断を受けたことで、新製品のカタログが作成でき、営業方法を考えるきっかけになった。日頃は、業務に追われてなかなかゆっくりと考える機会を持てないこともあり、このような診断を受けてみることは有効であると感じた。
中小企業診断士からアドバイスのあった、「経営計画(事業計画)の策定」は、現在のように待ちの営業をしているうちは、将来の受注などが具体的に読めなく、計画が立てにくい状況にあった。したがって、自社製品(オリジナル製品)第一号となる『蓄光材』を利用した新製品については、事業計画を立てながら慎重に進め、確実に成功させたい。
企業情報
企業名 | 有限会社タマワークス |
---|---|
代表者 | 代表者 奈良 進 |
創業年 | 平成14年 |
業種 | 製造業 |
所在地 | 〒182-0025 東京都調布市多摩川2-7-1 |
事業PR | |
URL | http://www.tamaworks.co.jp/ |
取材日:平成22年3月16日
記事:西浦美智子