外部の専門家と接する絶好の機会に -改革意識を加速し具体的に動き出す-
企業名:東京都江東区亀戸 取材先ご担当者様:専務取締役
リーマンショック以降の景気後退の影響により、ブランドショップやデパートなどで新規・改装工事が減少し、当社の売上にも影響が及んだ。こうした状況を打破するため、営業活動を強化し販路拡大・新規開拓を図りたいと考えていた。
企業概要
当社は、プラスチック板(主にアクリル)の成型・加工を行っている。創業は昭和34年で、博物館・美術館向けのケース及び展示台、ブランドショップやデパートのディスプレイ什器などを手掛けており、高い技術力で好評を得ている。従業員は15名、江東区の本社の他に茨城県にも工場を有している。
企業の悩み
リーマンショック以降の景気後退の影響により、ブランドショップやデパートなどで新規・改装工事が減少し、当社の売上にも影響が及んだ。こうした状況を打破するため、営業活動を強化し販路拡大・新規開拓を図りたいと考えていた。そのためにも経営戦略・事業計画などの立案・策定が必要になってきていた。
導き出された課題
今回の中小企業診断士による企業診断では、経営者自身が感じられていたように、特定の取引先への依存度が高く、取引先の状況や景気に当社も左右され売上の大幅減が懸念されること、また、価格交渉力も低くなることも問題点として指摘された。この問題を解決するためにも取引先の新規開拓が課題であることが確認された。
この課題に取り組むためには、まず当社の企業としての方向性を明確にすることが先決であるとし、そのためにはSWOT分析とよばれる手法で、自社の強み・弱みを分析し、市場の機会・脅威を把握したうえで、進むべき方向を定め、経営戦略の策定、具体的な事業計画を作成することが提案された。
戦略の基本は強みを機会に投入することであり、今回の企業診断の際にも実施したSWOT分析では、当社の強みとしては「高い技術力」、市場の機会としては「小売業者の大規模店化によるディスプレイ需要の増加」が導き出されている。
このあたりを考慮して、今後の戦略を具体的に検討していくことが提案された。
提案した中小企業支援施策
上記であげられた課題以外にも、いくつか問題点や課題点があげられていた。それを解決できる中小企業支援施策として、以下の提案も併せておこなわれた。
- 専門家派遣(エキスパートバンク)
小規模事業者の皆さんがお持ちの経営課題に対応する登録エキスパート(専門家)を直接事業所に派遣し、具体的・実践的なアドバイスによって問題の解決に役立てていただくものです。
その後の状況
中小企業診断士のフォローを得ながら、具体な取り組みを進めていきたいと考えている。その際には支援策として提案を受けたエキスパートバンクの利用を考えている。
今後の取り組みとして、まずは自社ホームページの作成を考えている。販路開拓を行うツールとしても、ホームページは必要と認識している。このあたりは進出する市場によって、どのようなホームページを作成すればよいか異なってくるので、戦略策定・事業計画とあわせて標的市場の絞り込みや自社製品のポジショニング等を考慮しながら、専門家のアドバイスを取り入れて進めていきたいと考えている。
企業様の声
改善の必要性はわかっていても、全てのことを自身で行うことは出来ない。今回のように外部の専門家と接することができるというのはとても良い機会であった。中小企業診断士という専門家の存在は知ってはいたが、実際に相談する機会が今までなく、今回初めて話を聞くことができ良かった。これからは、エキスパートバンク等の制度を活用しながら外部の専門家の力を積極的に取り入れて改革を進めていきたいと考えている。
企業情報
企業名 | 東京都江東区亀戸 |
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代表者 | |
創業年 | 昭和34年 |
業種 | プラスチック板(主にアクリル)の成型・加工 |
所在地 | 東京都江東区 |
事業PR | |
URL |
取材日:平成22年2月8日
記事:山口 亨