助成金・補助金等、経営力UPの経営情報が満載!

オンライン経営力自己診断

経営診断・分析事例
会員登録すると、
新規会員登録はこちら
お気に入りに追加 シェアツイートLINEはてぶ

大好きな菓子作りを仕事に

企業名:株式会社喜織  取材先ご担当者様:代表取締役: 齋藤里織氏、北原喜代美氏

夢をかなえる女性共同経営者、「趣味」から「ビジネス」へ

起業に必要な資金はどのように調達するのか。作ったお菓子をどこで売ればいいのか、お客様をどのように集めればいいのか。これらに詳しい人とのコネクションもなかったため、どのように対応すべきかがわからないでいたが…

企業概要

株式会社喜織(代表取締役:齋藤里織氏、北原喜代美氏)は、八王子にある菓子屋である。メレンゲ、全粒粉を使用したビスケット、マフィン、プリン等を提供しており、それらの全てが代表二人による手作りだ。

「大好きな菓子作りを仕事にしたい」との思いから、2016年に「森のこびと」という店舗をオープンした。それまでは起業に踏み出せずにいた齋藤氏であったが、志を同じくする北原氏との出会いにより一念発起。起業を決断し、二人で代表取締役に就任した。現在は販路も広がり、美術館や市役所の売店などでも販売している。

企業の悩み

代表の二人は、これまで企業経営の経験がまったくなかった。そのため当初は、「菓子を作ること以外のすべて」がわからなかった。起業に必要な資金はどのように調達するのか。作ったお菓子をどこで売ればいいのか、お客様をどのように集めればいいのか。これらに詳しい人とのコネクションもなかったため、どのように対応すべきかがわからないでいた。このような状況の中で八王子商工会議所に来所され、本プロジェクトを知ることになる。ぜひ一度、専門家のアドバイスを受けてみたいと思い、経営診断の利用に至った。

導き出された課題

専門家による診断の結果、販路拡大と経営計画の策定が、課題として示された。菓子作りが好きだから菓子を作る。しかし、作った菓子の販売先が朝市などのイベントや店舗以外になく、このままでは十分な売上を上げることは難しい。事業存続のため、販路拡大は最重要課題であった。また、中長期的な事業計画を立て、その計画に基づいて事業を進めていくよう指摘された。具体的には、売上計画や資金繰りの管理などである。

これらの診断結果により、二人は自分たちの甘さに気づいたという。趣味とビジネスは違う。これまでは「何とかなる」という思考だったが、これを機に「何とかする。そのために何をすべきか。」と考えるようになった。この頃から、多面的に仕事を見る目が養われていった。

提案した中小企業支援施策

二人は、成長アシストコースの利用を希望し、専門家から具体的なアドバイスを受けながら、上記の課題解決に取り組むことになった。

販路拡大については、ミーティングに同席された市職員の方から、美術館と市役所を紹介してもらった。美術館の方は、専門家に商談にも同行してもらった。その結果、美術館と市役所の売店に商品を置いてもらえることになった。通常、起業直後で実績のない会社の商品を置いてくれる小売店は少ない。安全・安心が求められる食品の場合は、特にそうである。それにもかかわらず、販売チャネルが増えたことは大きな成果といえよう。

また、事業計画作成については、中長期的な数値目標を定めることになった。売上などの数値目標を明確に定めると同時に、目標達成に向けてやるべきことを丹念に洗い出していった。やるべきことはToDoリストとしてまとめられ、随時専門家からその進捗を確認された。このような専門家のフォローにより、やるべきことを順次実行していくことができた。また、資金繰り表のフォーマットが専門家から提供され、入力方法からその管理方法に至るまで、丁寧に指導された。

その後の状況

支援により販路が広がった結果、今度は生産が追い付かない状況になった。次は、生産の効率を高め、安定的な量産体制を築いていくことが課題だ。

また、二人の意識や行動も変わった。志を同じくするとはいえ、感じ方や考え方まで全く同じではないので、すり合わせながら進める必要がある。本事業の支援によって、経営判断で重要なポイントが明確になり、課題一つひとつに対して、お互いが納得いくまで議論を重ねるようになった。それぞれの経営者としての意識が高まり、シナジー効果が発揮され始めたのだ。

企業様の声

皆様の丁寧なご指導のおかげで、ここまで来ることができました。私たちの夢をかなえてくださったことに、心から感謝いたします。本当にありがとうございました。これから、事業をさらに発展させていくことが最大の恩返しだと思っています。今回作成した事業計画をもとに、やるべきことを整理して、着実に実行していきます。

今後は、私たちの独自性の創出が最大の課題です。地元八王子の原料を使用した、私たちだけにしか作れないオリジナル商品を開発し、ホームページなどで訴求していきます。八王子を代表するお土産として、当社の商品が有名になるよう頑張っていきます。

経営指導員の声

事業として菓子作りをやっていくためには、味はもちろん、パッケージなどの見た目、そして収益性の3つの視点が不可欠です。これら3つのバランスを取りながら、お二人でよく議論して、事業を進めていっていただきたいと思います。また、事業の拡大により、生産の効率化や組織管理など、新たな課題も出てきます。まだまだ多くのやるべき仕事がありますが、経営者として大きく成長したお二人のさらなる活躍を祈念いたします。
(コーディネーター:米山憲一氏)

企業情報

企業名 株式会社喜織
代表者 齋藤里織、北原喜代美
創業年 2016
業種 製造業(菓子)
所在地 東京都八王子市谷野町639
事業PR
URL https://www.morinokobito.jp/


中小企業診断士 山倉慎一

一覧ページに戻る

< 経営診断・分析事例TOP

pagetop