「公的支援機関=敷居が高い」イメージが払拭! -専門家に相談することで、自社の事業承継対策に自信が-
企業名:株式会社トミカワ 取材先ご担当者様:代表取締役 冨川 政昭 様
日頃は日常業務が忙しく、冨川社長自身、なかなか事業を振り返ることができずにおり、5年ほど前から専務(社長のご子息)への事業承継の準備をしてきたものの、その方法やスケジュール等が正しいのかどうか不安があった。
企業概要
株式会社トミカワ(代表取締役:冨川 政昭)は、昭和53年に創業した食品包装資材の企画・製造・販売を営む会社である。
主に高級志向の洋菓子のパッケージを作っており(当社売上全体の約90%)、その他はホテルの引き出物用のパッケージも扱っている(全体の約10%)。
一般的に、洋菓子は贈答用に使われることも多いため、当社では、クリスマス(12月)、バレンタインデー(2月)の一大イベントをはじめ、雛祭り(3月)やイースター(4月)、端午の節句(5月)、緑寿(6月)、お盆(7月)、老人の日(9月)、中秋の名月(9月)、紅葉シーズン(11月)など、季節ごとのイベントに対応した「斬新な企画」を提案できることが強みになっている。
企業の悩み
日頃は日常業務が忙しく、冨川社長自身、なかなか事業を振り返ることができずにおり、5年ほど前から専務(社長のご子息)への事業承継の準備をしてきたものの、その方法やスケジュール等が正しいのかどうか不安があった。
今回は、事業承継の進め方について、第三者の目から確認をしてもらいたいと考え、本プロジェクトに申し込みをした。
導き出された課題
ヒアリングの結果、中小企業診断士から当社の事業承継について、「特段問題はなく、順調に進んでいる。ほとんど100点満点である。」との評価を受けた。しかし、現状の課題としては、次の社長をサポートしていく人材を積極的に採用する必要があることが提案された。
また、当社製品は、斬新な企画によってオリジナルのデザイン等も数多くあることから、製品のデザインや意匠について、同業他社の状況を絶えずチェックし、当社製品のデザイン・意匠は特許庁への出願などによって権利化し、保護しておくことが望ましいとのアドバイスもあった。
提案された解決策
事業承継については、すでに約5年前から準備を進めていたため、現状のやり方で特に問題ないとされたが、事業承継には(1)経営そのものの承継と、(2)自社株式・事業用資産等の財産の承継の両面があることが指摘された。
そこで、それぞれに対して、具体的な取組内容を確認すると同時に「事業承継計画」などを策定することが必要であるとして、事業承継支援センターを活用するよう勧められた。
提案した中小企業支援施策
上記課題を解決できる中小企業支援施策として、以下の施策の活用を勧めた。
- 模倣品対策支援事業
海外で産業財産権の侵害を受けている中小企業等に対して、模倣品に関する現地侵害調査や行政摘発等の費用の一部を補助します。
企業様の声
平成22年10月に予定している事業承継について、今回、中小企業診断士から「特段、問題はない。」との評価されたことをきっかけに、安心して後継者(現・専務:社長ご子息)に引き継ぐ体制づくりを進めることができ、企業診断を受けてよかったと思っている。
また、中小企業診断士から提案された「事業承継支援センター」については、利用するか否か検討している。
会長職に退いた後は、次の社長に経営すべてを委ねるため、経営のことにはあまり口をはさまないよう気を付けていきたいと考えている。
これまで、公的な支援機関というと、敷居が高く足を踏み入れにくいと感じていたが、今回はそのイメージがなくなるきっかけになった。また、商工会・商工会議所で「経営相談」を行っていることも知らなかったため、もう少し情報を周知してもらえるともっと多くの企業が相談に来るのではないかと感じた。
経営コンサルタントというと高度な専門用語を多用していてわかりにくい話をされる先生もいるが、今回診断をしていただいた中小企業診断士は、感じが良く、わかりやすい言葉で説明してくれたので、大変参考になった。
企業情報
取材日:平成22年2月18日
記事:西浦 美智子