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Food for Well-being 食を通じて「安らぎ・健康・楽しさ」を世界中の人々へ

企業名:株式会社東旗(かわしま屋)  取材先ご担当者様:代表取締役:河島酉里氏

専門家からの的確なアドバイスによる効率的な経営課題解決

今後販売量や取扱製品の増加に対応できる生産能力を向上させるためには、経営資源、特に生産設備が不十分、5S、生産ノウハウ、オペレーション能力が足りないといった多くの悩みがあったが…

企業概要

株式会社東旗(代表取締役:河島酉里氏)は、2011年に食品の独自ECサイト『かわしま屋』をオープンした。かわしま屋では「Food for Well-being」をコンセプトとして、食を通じて「安らぎ・健康・楽しさ」を世の中に提供していくことを目的にしている。信頼のできる全国各地の生産者・職人から600点以上の品物を仕入れ、一部は自社製造した食品を取り扱っている。
河島氏は事業開始前に外資系のITベンチャー企業でWebマーケティングのプロジェクトに参加し、ECサイト運営に関するノウハウを得た。その後広告業界で大手醤油メーカーのテレビCM制作を担当する時期があり、そこで醤油業界の経営の厳しさに触れた。「歴史もあって文化としても価値の高い食品を、売り方や見せ方の工夫次第で経営改善できるのでは?」そんな想いがきっかけとなり、かわしま屋の開設に至った。
河島氏は顧客からのニーズをもとに、高品質で安全な食品を日本全国はもとより海外に向けても販売している。

企業の悩み

河島氏の考えていた課題は、短期的には中小企業事業を支援する様々な補助金の申請や活用であり、また長期的には自社のオリジナル製品製造に向けた製造拠点整備であった。今後販売量や取扱製品の増加に対応できる生産能力を向上させるためには、経営資源、特に生産設備が不十分であることや、5S*1、生産ノウハウ、オペレーション能力が不十分であるといった多くの悩みがあった。これらの課題に対して、資金面、社内体制面、法律面等、具体的な方法を様々な角度から相談したいと考えていた。
2021年、武蔵村山市商工会の経営相談員に相談したところ、専門家である中小企業診断士による経営診断を受けることができる「中小企業活力向上プロジェクトネクスト」(本プロジェクトの前身事業)を紹介された。
*1 5S
「整理・整頓・清掃・清潔・しつけ」という、職場環境の維持改善で用いられるスローガン

導き出された課題

経営診断の結果、①生産に関するオペレーションづくり、②製造原価の把握と利益目標管理、③効率的な生産体制づくり、といった課題が指摘された。
当時、これから製造を始めるタイミングであったこともあり、どのような人員・体制で進めればよいか、また製造現場の5S等の基本的な事柄をどのように効率的に浸透させるのかという課題も取り上げられた。河島氏はこれらの課題を解決するため、本プロジェクトを引き続き利用することにした。

提案された解決策

支援を受けながら行った取り組みとしては、①日々の製造現場での作業手順の設定、②作業マニュアルの作成、③各作業のプロセス化等がある。製造に関する知識が無い中で、全くのゼロから手探りでプロセス化やフロー作成ができたのは、本プロジェクトにより各専門家から、ポイントを的確に指
摘されたことが大きく寄与している。河島氏は「我々は素人だったが、専門家の多面的なサポートにより、ポイントを外さずに立ち上げができて大変効率的だった」と振り返る。
河島氏にとって、専門家からのアドバイスの中では、レイアウトの改善方法や改善の進め方が参考になった。支援を受けた時点では製造拠点の場所が決まっていなかったが、専門家から必ずこのような課題に直面すると予測されて、そのポイントを押さえておくようにと助言を受けたことが印象に残ったと語る。また、経営指導員が食の現場や飲食業のノウハウを豊富に持っており、かなり具体的に従業員の動線のアドバイスを受けた。河島氏は、そのノウハウが実際の工場立ち上げに大きく貢献したと振り返る。

提案した中小企業支援施策

その後の状況

河島氏は、まだ課題は多く残ってはいるものの、製造体制の基本的な部分は十分に構築できたと感じている。また、大きな成果として、自社で製品化したものが「有機JAS規格*2認定」を受けることができた。海外向けの英語版販売サイトも運営しており、一部自社製造したものをアメリカへ輸出している。そのために乗り越えなければならない課題がいくつもあったが、今回の支援を通じてスムーズに解決できた。
また販売面では、海外への輸出売上比率が全体の15%程度まで成長している。河島氏は、今後の成長可能性を感じており、実行すべきポイントもいくつか見えてきているので、さらに海外販売比率を伸ばしていきたいと考えている。
*2 有機JAS規格
日本農林規格(JAS規格)のうち、生産方法に関する規格に該当するもの。有機農産物、有機加工食品、有機飼料及び有機畜産物の4 品目4規格(平成25年3月末現在)が定められている。
参考:農林水産省ホームページ「有機食品の検査認証制度」より
https://www.maff.go.jp/j/jas/jas_kikaku/yuuki.html#kikaku

企業様の声

今回のプロジェクトでは、あらゆる角度から様々なジャンルの専門家の方をご紹介いただき相談できました。今回の支援に限らず、武蔵村山市商工会には本当にお世話になっていて、担当者が替わっても何か相談するととても真摯に対応いただけるので本当にありがたいです。例えば輸入に関する専門家や税理士等、課題に適した専門家に相談できるようにしていただいたりしました。もともと創業塾というものがあり、そこで中小企業診断士の講師に事業計画のブラッシュアップをしていただく等、商工会には事業開始前から大変お世話になってきました。また次もプロジェクト活用機会があればぜひ受けてみたいと思います。
(代表取締役:河島酉里氏)

支援者の声

当社は発酵食品を主力としたECサイト小売業でしたが、現在は製造加工業と小売業という形態に変革している企業です。当初は相談を受ける中、そのような変革の具体的な実現性が伝わってこないというのが正直な印象でしたが、何度か工場や設備、人材、認証、資金等の課題を話し合う中で、現実的かつ整理された回答が十分に聞き取ることができたことから社長の本気度が伝わり、エキスパートバンク事業から支援に着手しました。
小売業から製造加工業への転換ということで、ビジネスモデルは大きく変わりますが、アシストコースを通じて、専門家との「質の高い会話」と、細部にわたる事業計画書の作成、さらには実行支援、フォローアップまでといった一貫した本事業のプログラムの特長が最大限に発揮できた支援内容でした。今後も当社が独走できるまで、進捗管理、計画の修正等に関する事項について、伴走支援ができればと考えております。
(担当 武蔵村山市商工会:多田 満氏)

企業情報

企業名 株式会社東旗(かわしま屋)
代表者 代表取締役:河島酉里氏
創業年 2011
業種 食品製造小売業(食料品オンライン販売)
所在地 東京都武蔵村山市残堀4-17-8
事業PR
URL https://kawashima-ya.jp/


中小企業診断士 中路慎哉

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