専門家派遣で目の前の霧が晴れる ~漠然としたアイデアが具体的な取り組み策に~
企業名:ローストハウス豆香 取材先ご担当者様:藤巻 小百合 様
創業当初より商品と接客にはこだわりを持って取り組んできたが、計数管理などの経営面についてはあまりできていなかったが……
企業概要
ローストハウス豆香(代表:藤巻 小百合 氏)は、1993年のコーヒーの日(10月1日)にオープンした「焼きたて珈琲豆」の小売店である。ブラジルの下坂農場で生産される高級豆「カルモシモサカ」を中心に、厳選した生豆を用いて新鮮で香り高い焙煎豆を提供している。
藤巻氏は日本スペシャルティコーヒー協会認定のコーヒーマイスターでもあり、コーヒーに関する知識は非常に高く、顧客からも喜ばれ当店にとって非常に重要な経営資源(知的資産)の一つとなっている。
企業の悩み
創業当初より商品と接客にはこだわりを持って取り組んできたが、計数管理などの経営面についてはあまりできていなかった。売上も横ばいであり、今後の成長戦略を模索するため地元商工会の経営セミナーに参加した。しかし具体的な取り組みまでにはいたらなかった。
そのような状況下で、商工会の経営指導員から当プロジェクトを勧められ、受けてみることとなった。
導き出された課題
当社の強みでもある質の高い商品と代表者の知識を積極的に活用し、新規顧客の開拓とリピート率の向上が課題であると導き出された。代表者の「コーヒーの本当の良さを広く知っていただきたい」との思いにも通じることである。
そのためには計数管理をしっかりと行って現状を数値で把握し、今後の目標を数値で設定する。そして漠然と頭の中にあるアイデアを形にしていく必要があった。
提案した中小企業支援施策
専門家派遣(エキスパートバンク)を利用して、今回の事業で診断を行った中小企業診断士に、具体的な取り組み支援を受けるべく専門家として派遣を依頼した。その結果、販売促進計画の立案、ニューズレターの作成、イベントカレンダーの整理、DM発送、コーヒーセミナーの実施、FAX注文票の整備など、漠然と描いていたアイデアを、中小企業診断士によって具体的な実行計画にまで落とし込められ、作業内容や期日が明確となって具体的に実施していくことができた。
また、インターネットを利用した販売などの新しい販売方式の導入やコーヒーセミナーを実施することによる売り上げ拡大を戦略的に図るためにも経営革新支援事業を勧められた。
- 専門家派遣(エキスパートバンク)
小規模事業者の皆さんがお持ちの経営課題に対応する登録エキスパート(専門家)を直接事業所に派遣し、具体的・実践的なアドバイスによって問題の解決に役立てていただくものです。 - 経営革新計画の承認
新たな事業活動を行う経営革新計画の承認を受けると、日本政策金融公庫の特別貸付制度など多様な支援を受けられます。
その後の状況
中小企業診断士と商工会の経営指導員のアドバイスのもとに、販売促進策を具体的に実施したことにより、2010年上半期は月商が全て昨年対比でアップし、最大で26%のアップを実現できた。
自身の取り組みが、数字として見えてくることで達成感もあるが、何よりも顧客からの反響がうれしかった。
また商品別の原価計算などをはじめ数字を細かく管理し経営改善を図るために、会計を管理する従業員を雇い入れることとなった。
当事業を通じて売上が向上しただけでなく、あらたな雇用も生まれ組織力の向上にもつながった。
企業様の声
小規模企業では、日々の業務に追われ、どうしても手がまわらない部分が生じる。特に経営面や販売促進の具体的取り組みなどは後回しとなる。
今回、当事業によってアドバイスを受けることができ、頭の中で漠然としたアイデアが整理され霧が晴れたかのように今後の進むべき方向性を見出すことができた。
企業情報
企業名 | ローストハウス豆香 |
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代表者 | 藤巻 小百合 |
創業年 | 1993年 |
業種 | 珈琲豆、コーヒー関連器具類 |
所在地 | 東京都羽村市富士見平3-1-8 |
事業PR | |
URL | http://www.roast-coffeetouka.jp/ |
平成22年9月21日
山口 亨