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088Chapter2Business Methods商品を顧客に届ける流通チャネル 企業がどんなにすばらしい商品を提供しても、もしくは、広告によって顧客に購買意欲が起こっても、顧客の手の届くところに商品が届けられなくては、マーケティングは成功しません。 商品を顧客まで届けるための経路のことを、「流通チャネル」と呼びます。全米マーケティング協会(American Marketing Association)は、流通チャネルを下記のように定義しています。流通チャネルとは、商品、製品もしくはサービスをマーケティングするための、企業内部の組織、および企業外部の販売店および代理店、すなわち卸売業者および小売業者の組織の構成である。戦略的に流通チャネルを選択・管理 効果的なマーケティングを行うためには、戦略的に流通チャネルを「選択」し、「管理」することが重要となります。流通チャネル選択のための意思決定事項は、以下の通りです。❶チャネルの数 単一のチャネルを利用するのか(例えば、専門小売店での販売に限定)、複数のチャネルを利用するのかということです(例えば、専門小売店での販売とインターネット販売)。❷チャネルの長さ 直販か、小売業を利用するのか、卸売業を利用するのか、といった事項に関する意思決定です。 典型的には、消費財の場合には3つ、生産財の場合には2つに類型化されます(右図参照)。なお、卸売段階はさらにいくつかの段階に分かれることがあります。❸どのタイプの中間業者を利用するのか 例えば、商品を専門店で販売するのか、あるいは、ディスカウント店で販売するのかということです。 自社商品の「市場特性」(その商品の消費者もしくは使用者は誰であるか。どこで、いつ、どれだけ購入するのか。小売部門の状態など)や「製品特性」(消費財か、生産財か。破損性、技術的な複雑性など)を考慮して、最適な流通チャネルを選択することが重要になります。流通経路、中間業者の数やタイプを適切に選択するなど、自社の商品・サービスを顧客のもとへ効率的に提供する流れができている2-9

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