086Chapter2Business Methods新規顧客の獲得より、既存顧客の維持が重要 モノへの消費支出減少や人口減少社会の到来など、21世紀においては「パイ」の増加を前提としない企業経営が要求されています。 今の時代、顧客は放っておけば、どんどん減少してしまいます。顧客獲得を重視するマーケティングから、既存顧客の優良顧客化や、既存顧客の流出防止を重視する顧客維持のマーケティングへ、力点をシフトさせていくことが必要なのです。 顧客との「継続的接触」は、顧客維持のための有効な手段となります。その理由として、以下の2つの要因をあげることができます。 ❶自社の存在を常に顧客の心にとどめておく効果 ❷接触そのものによる好意の増加(社会心理学で「親近性効果」と呼ばれる) 下図に示すように、継続接触による顧客維持効果が大きいのは、大企業ではなく中小企業です。たしかに、顧客との接触活動(例えば、「御用聞き」)は、もともと中小企業が得意としていた分野です。顧客データの活用、継続的接触など、既存顧客を維持・深耕する仕組みがある2-8██継続的接触の効果出所:岩崎邦彦「スモールビジネス・マーケティング:小規模を強みに変えるマーケティング・プログラム」中央経済社(2004年)顧客との継続的接触中小個店大型店・チェーン店接触なし接触あり3.403.603.804.004.204.403.884.323.663.653年後の利用可能性(ストアロイヤルティ)
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