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082Chapter2Business Methods顧客満足度を高め、顧客が顧客を呼ぶ仕組みを マーケティングにおいては、「はじめに顧客ありき」という顧客志向の発想を持ち、顧客の声に耳を傾けることが重要となります。マーケティングの目標は、顧客満足の向上です。企業は、自社の商品やサービスに顧客がどれだけ満足しているか、すなわち「顧客満足度」を把握することが欠かせません。 企業が提供する商品・サービスに満足している顧客は、リピーターになってくれますし、口コミでよい評判を広げてくれることも期待できるでしょう。顧客満足度を高めることによって、顧客が顧客を呼ぶメカニズムが生まれるのです。 逆に、顧客は不満があれば、利用する企業を変えてしまうことは、右図からも明らかです。この図は小売業の事例ですが、利用していた店に対する満足度が低い顧客は、3年もすれば、別の店に移行してしまうことを示しています。 顧客の選択肢が増加している今日、不満を持ちながら利用し続けるといった、惰性の利用はほとんどないといってよいでしょう。顧客満足度を高めることは、顧客を維持する基本になります。 顧客満足度を高めるためには、顧客に満足をもたらす要因を把握することが不可欠です。自社の顧客の満足につながっているのは、商品の機能なのか、商品のイメージなのか、サービスなのか、アフターサービスなのか、接客なのか、それとも他の理由なのかを把握することです。不満を把握し、不満を解消 顧客の満足度を高める一方で、顧客の不満を解消することも大切です。前述の通り、不満な顧客は、早かれ遅かれ、別の企業に移行してしまいます。さらに、顧客の不満は、企業にとっての「悪い口コミ」をもたらし、企業のイメージを下げてしまうことにもなります。 これまでの研究では、よい口コミよりも、悪い口コミのほうが、その伝播力が高いことが示されています。満足した顧客は約3人に話すが、不満な顧客は約11人にその体験を話すともいわれます。よい体験(満足)よりも、悪い体験(不満)のほうが印象に残りやすいからでしょう。 顧客の不満を解消するためには、顧客に不満を抱かせている要因が何であるのかを把握する必要があります。顧客の不満をもたらしているのは、商品なのか、サービスなのか、接客なのか、それとも他の理由なのかを把握し、それを解消することです。  顧客の満足度、不満足度を把握するためには、定期的に顧客満足度調査を行うことが欠かせません。自社の商品・サービスに顧客がどれだけ満足しているかを客観的に把握している2-6

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