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081Case Study戦略・経営者マーケティング組織・人材運営管理財務管理危機管理・社会環境・知財管理10の財務指標関連機関概要セールスプロモーションの方法 4つの手段のうち、「セールス・プロモーション」には、例えば以下のような方法があります。❶展示会・見本市❷街頭イベント❸サンプル呈示(試食や試飲、試供品の提供を通じて商品をアピール)❹クーポン、キャッシュバック(ある製品について一定金額の割引を約束した証書)❺プレミアム提供(商品を購入した人に対する景品、おまけの提供)❻懸賞❼特売 これらの「セールス・プロモーション」活動を有効に行うためには、商品の特徴や注文方法などを簡潔・明快に示した「カタログ」、「リーフレット」、「チラシ」、「試供品」などの販売促進ツールを用意して、効果的に活用していくことが重要です。Step Up1 販売員活動が効果的に行われている 中小企業のプロモーションの成否のカギを握るのは、「販売員活動」であるといっても過言ではありません。なぜなら、中小企業は、販売員への感情が企業全体への感情に結びつきやすいからです。 一口に「販売員活動」といっても、2つのタイプに分けることができます。1つが、「フレンドリー・サービス」(挨拶、言葉づかい、親しみやすさなど)であり、もう1つが「人を通じた情報の伝達」です。具体的には、顧客に対するきめ細かなアドバイスや、一人ひとりの顧客にあわせた提案などです。競争優位の源泉となるのは、後者です。販売員は、取扱商品のことを熟知しなければならないのは当然であり、顧客の一歩先を行くことが不可欠です。そのためには、積極的な販売員教育への投資が必要になります。2 顧客へのダイレクトメールを有効に活用している ダイレクトメール(DM)は、顧客ごとに異なるメッセージが伝達できるので、ターゲット(対象顧客)を絞り込んだプロモーションにはとても有効です。例えば、ある商品を購入した顧客に対して関連商品をすすめるDMを発送すれば、不特定多数にDMを送る場合と比較して、はるかに高い効果が見込めるでしょう。 とはいえ、今日、顧客はさまざまなダイレクトメールを日常的に受け取っているため、DMを開封せずに、廃棄することも多くあります。従って、手書きの宛名や、手書きのメッセージを入れるなどによって、開封率を上げる工夫も必要です。 また、顧客の移転などは頻繁にありますので、住所データベース(宛名)の管理をしっかり行うことが大切です。営業をプロから学ぶ Case1 H社は客先を増やすため、上場企業をターゲットとした新市場開拓担当の専任者を10年間置いていた。この専任者は会社に来なくてよく、月曜日にだけ報告をするというものだ。現在の販売先トップ10社のうち、3~4社はその人が開拓した先であり、同社の営業担当者もその人から販路開拓について学んできた。それまでの30年間は同じような顧客との取引が続いていたため、この手法を取り入れた。(電子機器用部品製造・50人) Case2  I社が行っている無料のサンプル測定には2つの目的がある。 1つは、同社の製品である屈折計でいろいろな物を測れることを知ってもらうためだ。実際に顧客が製品を手に取り、使うことで安心して購入してもらえる。 もう1つの目的は顧客から教わるためだ。顧客は自社の視野を広げる新しい用途を提示してくれ、貴重な情報が蓄積できる。無料のサンプル測定で得たヒントはすぐに世界中のネットワークに伝え、製品開発などに活用する仕組みだ。(糖度計等製造・121人)

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