074Chapter2Business Methods価格決定における3つのパターン 企業の価格決定の方法は、大きく分けると、以下の3つのパターンがあります。 第1が、「コスト志向」の価格決定です。第2は、「顧客志向」の価格決定です。そして、第3は、「競争志向」の価格決定です。 第1の「コスト志向」の価格決定は、原価に一定のマージン(利幅)を加えて価格を決定する方法です。 第2の「顧客志向」の価格決定は、買い手の知覚に基づいて、価格を設定しようという方法です。顧客に受け入れられる価格が先に決定され、その後に価格計算や利益計算がついてきます。 第3の「競争志向」の価格決定は、競合他社の価格を基準として自社の価格を決定する方法です。顧客価値に見合う価格決定を 中小企業の価格決定方法をみると、第1の「コスト志向」の価格決定、すなわち「価格=コスト+利益」を採用する企業が多いのですが、これは「顧客」と「競争環境」を考慮しない、コスト回収の発想といえるかもしれません。 マーケティングにおける価格戦略では、顧客価値に見合った価格設定を行うことがポイントになります。価格は、価値のバロメーターです。“はじめに顧客ありき”の発想が不可欠なのです。 コストと顧客価値は異なります。企業にとって、価格の下限は「コスト」ですが、上限は「顧客価値」です。顧客が感じる価値を高めれば高めるほど、高い価格設定が可能になります。 従って、価格決定にあたっては、コスト(Cost)だけでなく、顧客(Customer)、競争(Competition)の「3つのC」をバランスよく考慮することが重要です。製品 → コスト → 価格 → 価値 → 顧客顧客 → 価値 → 価格 → コスト → 製品顧客価値 ≠ コスト自社商品・サービスの価格は、原価を把握し顧客や競合相手を考慮した客観的データに基づき決定している2-2
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