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059Case Study059戦略・経営者マーケティング組織・人材運営管理財務管理危機管理・社会環境・知財管理10の財務指標関連機関概要Step Up1 販売先ごとに売上構成比の目安を決めて管理している 経営者が販売先を分散しようと考えていても、担当者レベルでは、どうしても大口取引先に力をいれる傾向にあります。ロットの大きい取引を行ったほうが、売上目標を達成しやすいからです。このような場合、全体目標に加えて、販売先ごとに売上目標を決め、定期的にバランスをチェックしていくことが有効な手段です。その際、なぜそのような目標設定をするのかを、担当者に十分に理解させることが、成功の鍵となるでしょう。2 取引先の信用情報が経営陣にすぐに伝わる体制をとっている 取引先が倒産すれば、影響は計り知れません。取引先の経営状況を常に把握し、もし悪化が懸念される場合には、すぐに対応しなければなりません。自社の資産と従業員を守るためには、場合によっては取引中止の決断も必要になってきます。情報は勝手に集まってくるわけではありません。民間の信用調査会社のデータを活用するのもひとつの方法です。また、根拠のない噂も含め、担当者レベルでつかんだ情報がトップまで伝わるよう、日頃からコミュニケーションに努めるだけではなく、大口取引先に関する定期報告などのルールづくりも求められます。リスクを分散させる あの手この手 Case1 MM社では、顧客の中で売上構成比が10%を超える先はなく、取引先は分散化させている。このため主要取引先の影響を受けにくい体質となっている。売上がトップクラスの顧客でも総売上の7%にすぎない。(機械用カーボン等製造・175人) Case2  顧客側のリスクを軽減させるのがNN社のビジネスモデルだ。同社は大手メーカーから技術開発や試作を受託し、協力企業群をコーディネートして「ものづくり」を行う。一般に試作の段階では不確実な要素が多いため、高額な最先端設備の導入をためらう企業が多い。こうした大手メーカーにかわって同社が最新鋭設備の1号機を導入。そして試作が完了し、量産に入っても問題のない段階になって大手メーカーに設備が導入される。つまり、このビジネスモデルは、大手メーカーが少ないリスクで試作・開発ができ、機械メーカーは販売促進につながり、同社は加工収入を得られるという皆が得する仕組みになっている。(電子ビーム加工・90人)仕入先仕入先仕入先仕入先仕入先仕入先自社自社〈操業停止〉自社自社〈操業継続〉販売先販売先販売先販売先販売先販売先販売先販売先 ケース1 1社に依存 ケース2 数社に分散倒産・廃業倒産・廃業██取引先の倒産

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