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055Case Study055戦略・経営者マーケティング組織・人材運営管理財務管理危機管理・社会環境・知財管理10の財務指標関連機関概要Step Up1 異業種の経営者や大企業の役員などに時々相談している 半導体製造装置のテスター関係のソフト開発を手がけるソフトウエアハウスの経営者は、自分でもベンチャー企業を起業した経験があることに加え、ベンチャー企業の経営に途中から参画して100名規模の企業を3,000名規模にまで成長させた経験のある大企業の会長から月1回のメンタリングを受けています。県庁が間に入って、地域で注目されているベンチャー企業3社の経営者にその会長をメンターとして斡旋してくれたそう です。 このような成長中の若い企業では特にメンターとなってくれる経営者などの存在は大きいものです。ハイテクベンチャー企業はどちらかといえば技術には自信がありますが、安定的な受注を獲得する方法や市場を開拓する方法などマーケティングに絡んだ相談や、資金繰り、好ましい出資者の見分け方などで相談に乗ってもらえることは力強いでしょう。2 現在のビジネスとは利害関係のない相談相手がいる IT関連機器の設計開発を行っている機械メーカーは、社長自身が学生起業家だったために、一時、脚光を浴びて、さまざまな会合に呼ばれてプレゼンテーションをする機会に恵まれていたといいます。そこで、異業種の企業経営者と知り合いになることができ、応援してくれる先輩経営者も少なくなかったようです。ビジネス面での重なりはありませんが、法律や資金繰りなど経営者としての悩みを電話で相談できるネットワークができていたといいます。また、同社では経営幹部が視野を広げるために、大学の先生や研究所の研究員など、自社の専門を超えた領域の専門家を呼び話題を提供してもらう勉強会をしていたのですが、そのようなネットワークも利害を超えて応援してもらえる関係が構築でき、その後の同社の成長につながっているといえます。普段会わない人に 会ってみる Case II社の社長は、営業の時にできるだけ顧客の現場に入って、奥深くまで聞くように心がけている。そのため、取引先企業のカギとなる人物に会うことができるネットワークが重要となる。同社の場合、社長の個人的な関係で先輩に当たる人たちにかわいがられて、それがキーマンとのネットワークにつながった。諸先輩から取引先企業に「後輩がいるよ」と紹介されて人脈をつくり、キーマンと接触して貴重な話を聞くことができている。(半導体用各種プローブ等製造・40人)

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