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040Chapter1Business Methods解決できない弱みは他企業とのアライアンス(連携)で 企業には強みと弱みがあります。SWOT分析で自社の弱みを分析したうえで、それを克服していくことは重要です。弱みをどうしても自社内で解決できないのであれば、他の企業と連携することでお互いの力を発揮し合うことも選択肢として考えるべきでしょう。 事業連携で最もよく取り上げられるのは、「❶技術に関する連携」です。各企業がそれぞれの技術を出し合って、共同研究で問題を解決したり、新製品の開発につなげたりしようというものです。販売部門や間接部門などのノウハウも技術のひとつと考えれば、技術に関する連携も必ずしも製造業に限ったものではありません。以前より、コアになる中小企業が、異分野の中小企業や大学などと連携して新事業分野を開拓しようという「新連携」や、農業分野と中小企業の連携をめざした「農商工連携」も政府によって推進されています(右図参照)。 次にあげられるのが、「❷情報に関する連携」です。市場や業界に関する情報を交換することで、より効率的な事業運営を行おうというものです。地域の中小企業団体や業界団体の活動を通したフェイストゥフェイスの情報交換も、ゆるやかな情報に関する連携ですが、より重要なのは取引ネットワークのなかでの情報共有です。企業が適正な在庫を保つには、将来の需要を見越して仕入れや生産を行う必要があります。自動車産業に代表される下請関係の強い業界では、以前からこうした情報の交換は高密度で行われてきましたが、まだ進んでいない業界も多いようです。 最後は、「❸資本に関する連携」です。資金面での制約の大きい中小企業では、同業者による共同化事業や、海外での合弁企業の設立は、資金不足を相互補完して投資を行う有効な手段です。近年増加しているM&Aも資本に関する連携のひとつと考えられます。連携相手を探す方法 ところで、中小企業庁の調査によれば、事業連携活動を行っていない企業は、「最適な相手が見つからない」「よい仲介者がいない」ということを問題としてあげる傾向にあるようです。また、当然ながら連携先それぞれにメリットがなければ、事業連携は成功しません。自社の弱みを克服するとともに、他社にもプラスとなるような連携が行える相手先を、まずは積極的に探していくことが必要なようです。商工会・商工会議所、公的機関、金融機関などに、相談してみるのもひとつの方法と考えられます。他企業との連携を実施している1-8

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