036Chapter1Business Methods製品は6つの分野で見直しを 新製品は大きく以下の6種類に分類できます(右表参照)。まったく新しい市場を創造する「❶純粋な新製品」は実際にはそれほど多くありません。この場合、市場が存在しないわけですから、成功すればオンリーワンとなる可能性はありますが、リスクはかなり高いといえますから、より慎重に進める必要があります。すでに他社が持っている市場に自社が初めて参入する 「❷自社にとっての新製品」は、市場がある程度でき上がっていて、他社製品の分析が可能であるというメリットはありますが、先行している企業の製品とどう競争していくかが成功の鍵となります。 次は、既存製品をベースにした改良です。「❸コストダウン」は同等の機能を持つ製品を低価格で提供するケースです。「❹製品バリエーション追加」は、オプション追加、マイナーチェンジ、大きさ変更などで既存製品のバリエーションを増やすもので、カップラーメンに新しい味を導入したり、小型ショベルカーを製品ラインに加えたりといった例があります。 「❺高性能の代替品」は、既存製品に替わる高性能の代替品を導入するもので、新型乗用車の開発がこれに当たります。これらは既存市場への対応が中心となるため、既に持っている顧客のニーズをどう開発につなげていくかが重要になります。 最後に、意外と見落としがちなのが、既存製品をこれまで販路としなかった顧客に販売する「❻リポジショニング」です。以前、4WDの車が爆発的に売れたことがありました。本来なら悪路走行用の車ですから街中では重装備すぎるのですが、アウトドア志向の人だけではなく、ファッションとして乗る若者をターゲットにしたことで売上を伸ばしました。若者たちは、一種の新製品と捉えたのです。農家だけではなく家庭菜園をする人にも売れている小型耕運機のように、❸❹❺の改良によって、他の市場にもマッチした製品に変化するケースもあります。自社の既存製品を既存のターゲット以外に販売することができないか、一度検討する必要がありそうです。新たな販売先、仕入先の検討 このように、一口に新製品といっても、さまざまなタイプがあります。まず、自社がどのような新製品を開発していくのかを定めたうえで、計画的に新製品を開発していくことが必要です。また、新たな販売先の可能性を探っていくのはもちろんのこと、自社の新製品につながるような素材や製品がないか、既存の仕入先だけではなく、新しい仕入先の情報を含めて収集していくことも求められています。新しい商品・サービスの開発や、新しい仕入先・販売先の開拓を行っている1-6
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