HTML5 Webook
35/233

035Case Study035戦略・経営者マーケティング組織・人材運営管理財務管理危機管理・社会環境・知財管理10の財務指標関連機関概要Step Up1 経営理念・社是と戦略・事業計画は整合している 経営戦略や事業計画は、前段で述べた経営理念や社是と整合していなければなりません。もし矛盾していると、企業のめざそうとする方向が不明確になり、従業員もどう行動するべきかがわからなくなってしまいます。ずれが生じているとすれば、企業の根本的な方針に対して好ましくない経営戦略や事業計画を立てている、あるいは経営理念や社是が時代に合わなくなっているなどの可能性があります。いずれにせよ、どちらかを修正して、方向性を明確にしなければなりません。2 戦略・事業計画が実現に向けて進行しているかチェックしている PDCAサイクルは、例えば3カ年計画であれば3年間に1回行えばよいという意味ではありません。常にチェック(点検・評価)を心がけ、計画がうまくいっていないようであれば、その対応策を考えていくという流れを示したものです。例えば毎月、3カ月ごとなど、定期的なチェック自体を計画に盛り込むことも、ひとつの進捗管理の方法です。計画を守ることは重要ですが、経済環境や市場動向の変化によって、計画自体が非現実的なものになってしまっては、現場の士気にも影響します。あまり頻繁に計画を変えるのは得策ではありませんが、必要に応じて再度計画自体を考え直すことも大切です。まき込むことで 従業員のヤル気もアップ Case M社が期ごとの全社指針をつくり始めるのは毎年8月中旬で、9月半ばに部門間で調整する。 2カ月かけて作成し、10月が期のスタートだ。  指針は末端からの積み上げ方式であり、まず部門ごとにつくる。課長クラスがリーダーになるが、具体的な作業レベルで動く主任クラスによってテーマの基礎が固まる。主任クラスになれば企業の全体がみられるようになっているので任せられる。この取り組みで企業に起きた変化は「目標がはっきりみえてきた」ことだ。  同社では、物事を決めていく際には、ボトムアップを重視している。期ごとに定める全社指針に基づいて各部署のグループごとに活動テーマを出して、その担当表や採点表もあわせて作っている。テーマに対する評価は自分の部署だけではなく、他部署からも行ってもらう(技術部門であれば、製造や営業などからの評価を受ける=総合的評価)という徹底ぶりだ。従業員は自分で何をやっているのかがわかっており、やらされている感がないという。(機械用カーボン等製造・175人)██経営計画の作成の有無と売上高の傾向※注:小規模企業を対象とした調査資料:中小企業庁委託「小規模事業者の事業活動の実態把握調査」(株)日本アプライドリサーチ研究所(2016年1月)全体(n=4,857)作成したことがある(n=2,575)作成したことがない(n=2,282)■増加 ■横ばい ■減少100608040200(%)27.544.328.134.042.323.720.246.633.2

元のページ  ../index.html#35

このブックを見る