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029Case Study029戦略・経営者マーケティング組織・人材運営管理財務管理危機管理・社会環境・知財管理10の財務指標関連機関概要Step Up1 市場の成長性についてデータをもとに理解している 市場の成長性を把握することは、将来に向けた自社の戦略を立てるうえで重要です。ただ、市場の将来を予想するのは困難ですから、勘に頼るのではなく、何らかのデータに基づいた分析が不可欠です。例えば、子ども向けの商品やサービスを提供しているのであれば、市場とする地域での将来の子どもの数がわかれば、予想の精度は格段に上がります。これは国内だけではなく、海外の市場にも当てはまります。現在は進出していない国でも、将来は伸びていくかもしれません。こうした将来予測のために重要なデータや情報が、官公庁や業界団体などで把握されていないかどうか、一度探ってみてはいかがでしょうか。2 代替商品・サービスについて情報を把握している 画期的な代替商品やサービスの誕生は、場合によっては経営の屋台骨を脅かしかねません。もちろん、長期的にみれば今の商品やサービスは必ず陳腐化しますから、その時どうするかは日頃から考えておく必要はありますが、代替品の参入を直前に知るのと、参入の可能性を知ったうえで何年も前から対応策を検討するのとでは、雲泥の違いです。こうした情報もなかなか把握するのは難しいとはいえますが、大きな経営判断の材料となるものですから、常に現状を把握する努力が求められます。いまある市場の中にこそ 商機あり Case 開発型企業をめざすというD社。ターゲットは中国市場だ。同国の編機メーカーから開発依頼も飛び込んできており、現地のニットメーカーに足を運びながら入念に顧客ニーズの把握に努めている。ニットの生産基地が将来、中国から他国へ拡大することを見越して、ユーザーにとってさらに簡便な装置の開発が目標として浮上。そのため技術系の人材を補強し、社内の技術開発委員会の活動を活発化させるほか、大学や公的研究機関との共同研究にも熱が入っている。(繊維編機製造・17人)カギとなる経営資源を 押さえ、競合は避けよ Case1 E社にとってライバル企業との競争上、重要なのは技術だけではない。良質な原料を確保することもポイントになる。つまり最高品質、高白色度の石灰石を確保する必要がある。石灰石は天然物なので人工物のように生産できない。そのため貴重な資源を押さえることが戦略上、欠かせない。同社が日本一のシェアになれたのも良質な石灰石が採れる山のお陰だという。(重質炭酸カルシウム製造・71人) Case2  F社の主要な市場は微小径の超硬工具と位置づけており、径が6mm以下の物に限定している。市場の特徴として、ドリルは小径になるほどマーケットも小さくなる。市場規模が小さくなれば大手メーカーは参入しにくいため、同社は当該市場でのプレゼンスを高めていく方針だ。(超硬切削工具製造・65人)自社(Company)██3Cモデルの枠組内部環境取引競合顧客(Customer)● 属性・行動様式● ニーズ● 将来の需要競合相手(Competitor)● 商品・サービス● 規模・数・経営状況● 将来の参入取引外部環境情報収集

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