204Chapter6Business Methods6-8特許、実用新案、商標(ブランドなど)、意匠(デザインなど)、著作権、営業秘密など、知的財産の活用や流出防止に意識的に取り組んでいる知的財産は多くの企業が保有する資産 「知的財産」という言葉を最近しばしば耳にするようになりました。では知的財産とはどのようなものでしょうか。特許権や著作権などが思い浮かべられがちであることから、中小企業の経営に知的財産はあまり関係ないと考える経営者も少なくありません。 しかし、知的財産基本法第2条によると、知的財産とは❶人間の創造的活動によって生み出される物(発明、考案、植物の新品種、意匠、著作物など)、❷事業活動に用いられる商品または役務を表示する物(商標、商号など)、❸事業活動に有用な技術上または営業上の情報(ノウハウ・顧客リストなどの営業秘密など)と定義されています。この定義に従うと、知的財産は規模の大小にかかわらず、多くの企業が保有している資産だといえます。決して中小企業の経営に関係がないわけではありません。知的財産は競争力の源泉 これらの知的財産は法律などの定めによって保護されており、他者による模倣が制限されます。このため、知的財産は企業の競争力の源泉になるのです。 しかしながら、大企業と比べると中小企業では知的財産を戦略的に活用する意識に乏しい傾向が伺えます(下表、右図参照)。中小企業においても、知的財産を自社の競争力の源泉として意識的に活用することが重要です。そのためには、知的財産について知識を深めて、自社および競合相手の知的財産を把握・整理する(6-9参照)とともに、自社の知的財産を管理する(6-10参照)必要があります。██特許出願、営業秘密に対する戦略(単位:%)大企業中小企業積極的に特許出願を行っている 64.2 20.5特許出願は最小限にとどめ、できるだけ営業秘密として保護 3.1 7.9特許出願、営業秘密に対する基準を定め、従っている 16.0 4.7特に方針は定めていない 14.8 48.8業務上あまり重要ではない 1.9 18.1合計100.0100.0出所:中小企業庁「2009年版中小企業白書」
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