202Chapter6Business Methods6-7地球環境に配慮した事業運営に積極的に取り組んでいる省資源の取り組みは3Rに大別 近年、消費者の環境意識の高まりを背景に、企業活動においても環境への配慮が重要になっています。このため中小企業においても、とりわけ省資源、省エネに取り組む企業が少なくありません(右表参照)。このうち省資源に関しては、リデュース(Reduce, 廃棄物の発生抑制)、リユース(Reuse, 再利用)、リサイクル(Recycle, 再資源化)の3つに大別できます(下図参照)。これらは一般に「3R」と称されています。❶リデュース:製品を生産する際に使う資源の量を少なくすることや廃棄物の発生を少なくすることです。例えば、切削加工油を循環させて節約するケースや商品のパッケージを簡素化するケースなどがあります。リデュースに取り組むにあたっては、製品の設計や生産工程などを大きく見直さなければなりません。このため外注先や納入先などサプライチェーン全体で取り組む必要があります。また下請け企業として部品などを製造している企業の場合は、受注先からリデュースに関する要請を受けることを想定し、工程などを見直してリデュースの可能性を洗い出す必要があります。❷リユース:使用済み製品やその部品、梱包材などを繰り返し利用することです。コピー機のトナーカートリッジやリターナル容器の再利用などが典型例です。これらのリユースに取り組むには、デポジット制など使用済み製品などを回収する仕組みを築く必要があります。しかしいきなり大がかりな仕組みづくりに取りかかるよりは、まずは段ボール箱の再利用やコピー用紙の裏面の利用、中古品の購入など、できることから手がけていく姿勢が重要です。❸リサイクル:廃棄物などを原材料やエネルギー源として利用することです。例えば、焼却処理していた麦芽カスを飼料として畜産業者に譲渡したり、製材時に発生する木くずをボイラーの熱源にしたりするといった取り組みがあります。その結果、廃棄コストが不要になるだけでなく、飼料や重油のコスト削減にもつながります。これらの取り組みにあたっては、自社の生産工程などからどのような廃棄物が発生するのか、それをどうすれば再資源化できるのかを検討する必要があります。 2000年に制定された「循環型社会形成推進基本法」では、3Rの優先順位を環境負荷の小さなものから「❶リデュース」、「❷リユース」、「❸リサイクル」と定めています。しかし、中小企業が3Rに取り組む際にはこの順番にとらわれず、できることから着実に手がけるべきです。リユースリデュースリサイクル適正処理生産使用購買製品原材料
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