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181Case Study戦略・経営者マーケティング組織・人材運営管理財務管理危機管理・社会環境・知財管理10の財務指標関連機関概要Step Up1 主要取引銀行に対して、定期的に業績の報告と 事業計画の説明を行っている 主要取引銀行から円滑に資金調達をするためには、まず経営者自身の経営能力や財務管理能力を高めることが必要です。経営者自らが決算報告書や資金繰り表をチェックすることよって、主要取引銀行の担当者との交渉も円滑に進めることが可能となり、担当者の信頼を得ることにもつながるからです。同時に、事業計画書や決算報告書、月次試算表、資金繰り表などを開示して、定期的に業績と事業計画の説明を行うことが重要です。仮に赤字決算の場合にも原因分析をして、「このような事業計画を実行することによって、いつまでにいくらの黒字に転換する計画です」という説明が必要です。2 主要取引銀行から必要な時に必要な額を調達できる 中小企業にとって安定的な資金繰りを行うためには、日頃から主要取引銀行から必要な時に必要な額を調達できる体制を準備しておくことが肝心です。資金調達の際にまず重要なことは、必要資金は運転資金なのか、設備資金なのか、その具体的内容など資金使途を明確にすることです。次に、借入金の償還能力を示せることです。つまり、資金繰り表を提示して、何のためにいつどれだけの金額が必要になり、いつどこからの原資によって返済できるのかを明確に説明できなければなりません。そのためにも必要とされる資料を適切な頻度で迅速に提出するとともに、得意先の開拓状況など定性情報の積極的開示も必要です。情報提供をしっかりやる Case L社では、経営者の交代にあたり、創業者一族は1人も在社しておらず、大口取引先や金融機関からの推薦者もなかった。まず承継準備の第1段として、主取引の金融機関と借入れにおける代表者の個人保証解除の交渉を始めた。相当日数を要したが承諾され、他の金融機関も応諾し、一切の個人保証を解除した。(機械用カーボン等製造・175人)〇〇信用金庫□□銀行

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