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177Case Study戦略・経営者マーケティング組織・人材運営管理財務管理危機管理・社会環境・知財管理10の財務指標関連機関概要 なお、経理規定のひな型は大変分量が多いため割愛しますが、「ビジネス書の森」(ジャスネットコミュニケーションズ株式会社http://www.jusnet.co.jp/business/kitei_down.shtml)の「規定集(D.業務関係規定)」が大変参考になりますのでご覧ください。Step Up1 会計手続きに関する内部牽制の仕組みが確立され、機能している 内部牽制の仕組みは、会計上の虚偽・誤謬の発生を自動的に防止するような仕組みです。通常、経理事務を複数の担当者に分掌して、それぞれの担当事務を照合することによって虚偽・誤謬の防止策がとられます。例えば、現金出納係と伝票への記帳・計算係の担当を分け、集計後に現金有高と帳簿残高を照合する、といった照合です。しかし、中小企業では、人的な制約から経理事務を複数の担当者に分掌すること自体、困難なことも多いでしょう。従って、小切手や手形は必ず経営者が検印するなど、経営者自身が照合に関与する仕組みをつくることが重要です。2 税理士・公認会計士などの外部の会計専門家に 定期的に指導を受けている 中小企業では一般に、顧問である税理士や公認会計士に税務申告書の作成をはじめとする税務代理を依頼することが多いでしょう。しかし、会計専門家を企業の経営資源として積極的に活用するためには、税務代理だけではなく経営計画の策定や管理会計システムの導入、国や自治体の助成金や融資制度の活用に対する助言、事業承継計画の立案と実行などについても、積極的に指導を受けることも必要です。もちろん、会計業務も多種多様であり、税理士・公認会計士もそれぞれ得意分野も異なるため、社内で十分に検討して指導内容を明確にしたうえで依頼することが重要です。数字が従業員にも ハッキリ見えること Case1 I社では、独立採算制を利用して、従業員の育ちを促す賃金制度を工夫している。企業はもとより経営への全員参画をめざしている。各自のやったことが、それぞれの従業員にはっきりと見える仕組みが、企業のいう「部門経営」である。同社は営業や生産など機能ごとに組織を切り分けておらず、各部門にすべての機能を持たせている。各部門は企画から販売までみている。各部門は月次決算から半年や1年の決算もわかるようになっている。1つの部門が1つの企業のようになっている。(介護用品等製造/販売・50人) Case2  J社は損益計算書などの財務諸表を従業員に公開している。社員株主が多いこともあるからだ。「これからの企業は、従業員に隠しごとをしても仕方がないだろう」と社長はいう。数字を公開しているため、従業員は固定費と変動費がいくらで、何パーセントか、などを意識している。(シリンダー製造・90人)資料:中小企業診断協会編集「工業診断の基礎6」同友館(1998年)を参考に山北晴雄作成██会計制度経営管理者利害関係者[決算手続](仕分帳→総勘定元帳)差異分析⑦管理諸表企業活動会計担当組織⑩外部の会計専門家⑪財務諸表勘定組織⑧帳簿組織⑨伝達集計・作表測定認識・評価・分類将来(1事業年度)予算見積財務諸表②(1事業年度)実績財務諸表⑥(1事業年度)実行予算③(月次)①比較検討⑤実績月計表④(月次)実際(1事業年度)実績

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