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165Case Study戦略・経営者マーケティング組織・人材運営管理財務管理危機管理・社会環境・知財管理10の財務指標関連機関概要Step Up1 不良在庫の有無の確認と処理を定期的に行っている 在庫の増加は現預金が棚卸資産に置き換わるわけですから、当然資金繰りを圧迫します。また、在庫が増えれば在庫管理の人件費や保管料など在庫に伴う関連費用も増加します。在庫増加の大きな要因として不良在庫の存在があります。棚卸資産は必ず売れるという保証はありませんので、販売予測の精度の悪さ、発注方法や在庫管理の不備によって不良在庫が発生します。まず、棚卸資産の整理整頓をして何がどのくらい、どこに保管されているのかを把握し、販売できない不良在庫があれば処分します。次に、自社の適正在庫高と保管方法のルールを決めて、在庫の動向を定期的にチェックすることが重要です。2 売上債権(売掛金や受取手形)の経過日数管理を 得意先ごとに行っている 現金商売の業種は別にして、一般に売掛金や受取手形(売上債権)による信用販売は売上高を伸ばすためには必要不可欠です。しかし、これら売上債権はその金額の分だけ資金が固定化し、売上債権の回収が滞るとその分だけ資金繰りを圧迫します。回収の遅れが焦げつきや貸し倒れの発生を招き、損失の増加へとつながります。従って、まず、売上債権の得意先別明細表とその経過日数表を定期的に作成します。そして、得意先に対して定期的に売上債権の確認を行う体制づくりも必要です。そして、得意先別に過去の実績と将来の事業展開をふまえて、貸倒引当金の設定を行うことも忘れてはいけません。機敏に動くため、 最新の情報をいち早く Case A社は1カ月が経過すると部門別目標に対する月間の達成度が出てくるようになっている。この計算処理の流れは連携プレーになっているため、一つひとつが正確に処理されなければならない。しかし現実にはデータの修正が必要になってくる。月間の数字が固まると累計の数字が出てくる。さらに昨年対比も出てくるため、これらのデータをもとに活動実績の評価が行われる。また月間の締めができると、顧問のコンサルタントが5つの部門ごとの分析、評価を行い損益が出てくる。つまり月次の決算となる。ここまでシステム化したのは、すぐに実績をつかんで目標対比を確認して、かつ損益をチェックするためだ。(包装資材紙工品総合卸売・40人)平成××年×月××日         (単位:千円)借方残高借方合計勘定科目貸方合計貸方残高264,000 472,000現金 208,000 184,000借入金 280,000 96,000資本金 184,000184,000売上 328,000328,000280,000 280,000仕入 64,000 64,000給料608,0001,000,0001,000,000608,000資料:山北晴雄作成██合計残高試算表売上 − (仕入 + 給料) = 利益一致する一致する

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