150Chapter4Business Methods4-5商品、原材料、消耗品などの在庫を適正化するITの仕組みを構築している在庫管理や現物管理はルールを厳守 商品や原材料、消耗品などがどこに保管され、いくつあるかを速やかに把握できれば、探す手間だけでなく欠品による業務上の無駄を省くことができます。次のように管理しましょう。❶保管場所を決め、そこには品名を付けてその特定の物だけを置く。棚に混載はしない。❷先入れ先出しが徹底できるように、棚の後ろから入れて前から取り出すようにする。構造的に不可能な場合は、入庫の際に新しい物を後ろや下部に置くことを徹底する。❸棚には品名カードを在庫個数と同じ枚数を添付し、取り出した現物個数と同数のカードを持ち出し、そのカードで出庫数をコンピュータに入力する。可能ならば品名をバーコード化して棚に添付し、携帯型無線LANを搭載したバーコードスキャナーなどで取り出す際に出庫個数を入力する。❹頻繁に使用する物は最少在庫数を決めておき、それより少なくなったら発注をかける。❺定期的に実地棚卸を行い、差異がある場合はコンピュータデータを訂正する。 適切な在庫管理や現物管理には、保管や管理のルールを守ることが大切です。それが守られているかどうかは、定期的に実地棚卸を行い、帳簿上の在庫数と現物が一致しているかを調べることです。これが一致しないとコンピュータによる在庫データの信頼性が薄れ、コンピュータでの管理ができなくなります。ジャスト・イン・タイムの調達で在庫を削減 また、適切に在庫管理や現物管理を行うことに加えて、余分な材料や商品を仕入れたり生産しないことはさらに重要です。必要な時に、必要な物を、必要な数だけ調達するジャスト・イン・タイムが重要なのです。 ジャスト・イン・タイムの調達姿勢は、価格が激しく変動する市況商品の調達でも重要です。価格が上昇傾向の時でも必要な数を都度調達しましょう。必要数量の予測精度を高めるには、営業情報をもとに必要量の予測を的確に見積もることが前提になります。次のような全社的な協力体制で在庫数の減少を図る努力をしましょう。⃝営業は責任を持って的確な販売予測を立てる。⃝社内の在庫管理や現物管理を適切に行って、最少の在庫で生産や販売に支障をきたさないように工夫する。⃝調達先には納入リードタイムの短縮協力を求める。⃝部品や資材については標準化や共通化を極力進める。⃝販売の際には在庫数を念頭に置いた販売や、標準商品の販売に努力する。
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