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148Chapter4Business Methods4-4ITにより、顧客別、品目別など販売状況がすぐに把握・活用できるきめ細かな管理でリスク軽減 今日、企業は多様な商品の生産や販売をして、顧客の価値観の多様化に対応しようとしています。ところが好みの変化は早く、製品寿命はどんどん短くなっています。さらに類似の製品が登場してこれに拍車をかけているのが実態です。 このため企業にはきめの細かな管理が必要になっています。商品は品目別に生産され、店頭にも品目別に陳列されるのが一般的です。このため、品目別の生産や販売状況は把握しやすいものです。販売状況を日常的に把握していれば、需要のない製品の生産・仕入れを行うリスクを避けることができます。余分な物は在庫になるだけでなく、売れ残って廃棄しなければならない可能性が高まっています。また売れない物が存在することは、反対に売れ筋商品の欠品リスクを高めます。ITによる幅広いデータ利用を IT(情報技術)を利用して、出荷や店頭での販売時に販売データを入力して素早く販売状況を把握することを検討しましょう。バーコードが添付されている物についてはスキャナーで読み込むだけですが、付いていなくて販売量の多い商品については社内でバーコードを付けて管理します。 そして、販売の際にはどのような顧客が購入するのか把握できるように、顧客データも入力します。そうすることで、当該商品がどのような顧客から好まれているのか、好まれていないのかがわかり、販売促進活動や次の商品企画に役立つことになります。 商工研究所が2016年に実施したアンケート調査では、中小企業のうち「いずれの業務にもITを導入していない」と回答した企業は全体の3.6%であり、いまやほとんどの中小企業が何らかのITを導入していることが明らかになりました。また、「受注、販売」や「顧客管理、アフターサービス」、「購買、調達」といった、販売状況の把握・分析に関係する領域でも、IT導入が一般的なものになっていることがわかります。

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