145Case Study戦略・経営者マーケティング組織・人材運営管理財務管理危機管理・社会環境・知財管理10の財務指標関連機関概要社内が見渡せる中小企業のメリットを生かせ Case1 「従業員の顔写真を工場に貼ることで自分の職場であるという意識づけになる」というB社。この取り組みは“人を大切にする”という経営方針の一環で始めたものだ。工場の入り口には、職場ごとに所属する従業員の顔写真が貼ってある。従業員はこれを見るたびに、自分の役割を再認識するとともに自負心にもつながるという。(電子ビーム加工・90人) Case2 C社は、情報を共有するためさまざまな工夫をしている。ひとつは工場を併設したオフィスだ。事務部門の従業員の座席はフリーアドレス制になっていて、どこに座っても構わない。フリーアドレスにすることで、部門を越えた関係者が必要な時にパッと集まって話ができる。組織の壁を作らない仕組みだ。日によって違う従業員が隣に座るので、自然とさまざまな情報が交換される。(自動外観検査装置製造・60人)Step Up1 業務上のデータについては、表だけでなく グラフ化するなどビジュアルに判断できるようにしている 今日ではコンピュータという便利な道具がありますので、売上データや仕入データなどが数字でプリントアウトされてきます。それを表にするだけでなく、グラフにして視覚的にわかりやすいように表示しましょう。この時、ただグラフ化するだけでなく、その課題や対応策についても発想しやすいように表現方法を工夫します。それには、顧客別や製品別、前月や過去の同月比との対比といった具合に、さまざまな視点からデータを見たり比べたりできることが必要です。何が起こっているのか、どうすればもっとよくなるのか、そうした発想につながるようなデータ活用を工夫しましょう。2 業務成果や課題については社内に掲示し、 全員が理解できるようにしている 売上や生産数量、利益率、付加価値率、不良率など業務の成果に関する情報は、事務所や作業場、バックヤードなど、外部の人には目に触れない所に掲示しましょう。重要な情報ということで経営者や管理者が業績にかかわるデータを隠していると、従業員の協力は得られません。データを提示して企業と一体になって頑張る、そして頑張ると各自にそれが報いられるという励みが必要です。また、企業や職場の課題についてもわかりやすく表現して掲示しましょう。 このような掲示物は必要なタイミングで随時、また定期的に内容を更新しましょう。いつも同じ物では従業員は注目しなくなります。
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