127Case Study127戦略・経営者マーケティング組織・人材運営管理財務管理危機管理・社会環境・知財管理10の財務指標関連機関概要Step Up1 若手には夢中になれるテーマを与えている 若手の柔軟な頭脳で考えてもらうためには、彼らの創作意欲を刺激することが重要です。小さな新しいテーマにチャレンジさせ、成功したならさらにレベルの高いテーマに挑戦させます。少しずつレベルの高いテーマにチャレンジして、成功体験を積ませることが、人を育てるのです。それには若者が夢を失わないような支援の仕掛けを考えておくことが必要でしょう。 仕事の性格から日常の本来業務のなかでの体験が難しければ、日頃時間がなくて対応できてこなかったようなテーマを与えて、その問題解決案をつくらせるのも有効です。2 職場の目標設定に参加させ、各人の役割と持ち分を意識させている 組織と個人が望ましい関係を築くことが目標設定での重要なポイントですが、これは「目標設定への参加」と「自律的な自己統制」を両立させて初めて実現できるものです。しかし、個人が自身の考えで目標を設定できるには自分自身が成長していなくてはなりません。やみくもに自律性を尊重して、目標設定を促すだけでは難しいのです。そこで、日常的に各人の職場内での役割分担、期待されているミッション(使命)がどうなのか、それを実現できるためには自分自身どう育って、どう変わっていかなくてはならないのかなど、常日頃から意識させることが重要なポイントとなります。権限と責任を与えて 考えさせよ Case1 「少数精鋭とは責任を持たせることであり、徹底的に任せることだ」というのは自衛隊に教官として勤めていた経験を持つV社の社長の言葉だ。自衛隊では、隊員に対して責任・義務・報告を徹底して教え込む。任務を遂行するためには、権限を与え、判断を任せる。こうした考え方は教官の時代に学んだものだという。(地下水膜ろ過システム製造・84人) Case2 従業員の平均年齢が40歳を下回るW社では、若手も重要な役割を任せられ、それが育成につながる。仕事の基本は「1人でやらせ、自分で考えさせる」ことだ。開発を任された従業員は「進行担当者」といい、製品ができるまでの日程を決める権限が与えられ、自らが中心となり、ものごとを進めていく。そして開発・設計の後、図面が製造部門に移り物ができるまでずっと面倒をみる。製品開発の途中からはカタログの準備や部品の調達、デビューの用意など、部門間の連絡・調整が多くなる。管理職はもっぱらサポート役に徹している。(糖度計等製造・121人)
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