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123Case Study123戦略・経営者マーケティング組織・人材運営管理財務管理危機管理・社会環境・知財管理10の財務指標関連機関概要Step Up1 研究開発担当者、工場長、営業責任者など、 部門の責任者が育っている 企業のイノベーション活動の中心的な担い手となるのは、研究開発担当者、工場長、営業責任者などであり、その担い手が自社にいることが競争力に直結してきます。このような部門の責任者を育成するのは並大抵の努力ではありません。小さな企業では潜在能力のある人材を採用すること自体が、知名度などの点で劣勢にあります。しかしながら、よい人を採用できるとその友人、知人の知り合いといった、緩やかなつながりの人からの評判を聞いて、次々と応募してきたケースもあります。これぞと見込んだ人材がいたなら思い切って採用し、権限委譲を進めながら、積極的に育成していくことが、本人のやる気を引き出すことになります。 そして、社内にとどめておくだけでなく、見本市や研修会などへの参加を促し、社外の空気に積極的に触れさせることが育成の要諦です。2 社長の大きな方針のもと、幹部従業員には大幅に権限を委譲している 人は任されていると実感すれば頑張るものです。しかし、任せる場合にはなぜこのような仕事が必要なのか、どのようなことに注意しなくてはならないのか、どのようなことを目的に仕事を進めるべきかなどの、具体的な指示を与えます。最初からすべてを任せるのではなく、段階を追って任せることを心がけなくてはなりません。任せるのはよいのですが、満足に指示を与えず任せた場合、能力的にそれがこなせなければプレッシャーによって、つぶれてしまいます。基本は権限委譲なのですが、機会を通じて、人材がある程度育ってきたことを見極めて、仕事を任せることが大事です。そして、任せたからにはよほどのことがない限りは手を出さない。そうしないと人は育ちません。若手にもマネジメントの 経験をさせよ Case T社の製造部門では部長ではなく、リーダーに日常業務の振り分けをさせている。職場の自治的な運営は若手のリーダーに任せて育てるという方針だ。リーダーはほとんどが30歳代であり、若いので教育する必要があるという。情報共有のための取り組みも活発だ。業務、製造、技術の3部合同で週に1回20分間の工程会議を開いている。製造部内ではリーダー会議を開き、そのあとグループごとの会議も月1回くらいの頻度で行っている。(電気機械器具製造・50人)

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