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118Chapter3Business Methods各人のスキルレベルを確認したうえでOJTを 人材育成の基本はOJT(仕事を通じた訓練)です。体験から学ぶことで実感を持って理解することができます。これをやさしい仕事から難しい仕事へと「計画的に展開する」のか、「背中を見て覚えろ」式でいくのかによって、OJTの効果は大きく変わってきます。なお、近年では団塊世代が引退期を迎えて、高度な熟練技能の継承があちこちで問題となっています。長期的に企業を成長させるには、これら熟練の従業員の技能を計画的なOJTを通じて若い世代に教えていくことも重要です。 OJTを始めるにあたり、まずは各人のスキル(技能)の程度を客観的に見えるかたちにすることが大事です。スキルレベルの評価基準を明確化したうえで、複数の機械があるなら、どの機械はどの程度のスキルレベルで仕事をどの程度こなせるかを評価するわけです。そして、未習得の部分を習得できるように目標を立て、計画的に育成していくのです。 そして、人にものごとのやり方を理解させ、納得させて、実行させるには、「言って聞かせて」、「やってみせ」、「書いてみせ」、「やらせてみて」、「間違いを直し」、「やらせながら、いわせる」といった手順を守るように指導者を指導する必要があります。 また、OJTだけでなく、節目ごとに外部研修を含めたOff-JT(職場外の訓練)を配置することで、理論的な理解も進み、その後の成長も加速するものです。ある期間に特定のスキルを習得するだけにとどまらず、学習のしかたを覚えるところにOJTの本当の意味があります。OJTは3つの分野から考える 前述の通り、OJTは技能やノウハウの継承を意識しながら進めることが重要ですが、その際には仕組みづくり、意識づくり、環境づくりの3つの分野に分けて考えるとわかりやすいでしょう。「❶仕組みづくり」では、計画的ベテランから若手社員へ技能継承を含めたOJTを計画的に行っている3-10技術者に関するスキル固有技術プロジェクト管理QC技法マネジメント凡例レベル5他の人を指導でき、ベンチマークの対象レベル4指導されずに自分1人で業務遂行が完全にできるレベル3当該スキルの知識を十分もち、ポイントだけの指導で遂行できるレベル2指導されれば遂行できるレベル1当該スキルの知識はあるが、指導されなければ遂行できないレベル0当該スキルの知識がない安全管理原価管理人事リーダーシップコミュニケーション山田 太郎55545545鈴木 一郎54435532佐藤 映一43323333村上 誠12202222山川 二郎01102121██個人スキル表(例)出所:村川賢司「超ISO企業8 - 人を育てたい - 」日本規格協会(2005年)

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