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110Chapter3Business Methods働き方改革による競争力の維持 日本の人件費は一時ほどではありませんが、国際的にみれば高水準です。右表は生産労働者の時間当たりの労働費用をアメリカを100として換算したものです。ドイツやスウェーデンに比べれば低いのですが、台湾、韓国などに比べると高水準にあります。しかし、賃金水準が高いからといって、競争力がないかといえばドイツやフィンランドの例を出すまでもなく、高付加価値商品にうまくシフトしている国では、かなりの競争力を維持しているのが実態です。女性の活躍など、多様な労働力をベストミックス むしろ、日本で深刻なのは少子高齢化による労働力人口の減少です。ロボットなどの導入による省力化を進める一方で、女性、高齢者、外国人といった労働力に期待する部分が一段と増えてきます。女性の希望は以前は事務職希望が圧倒的に多かったのですが、生産ラインで従事するだけでなく、CAD/CAMや、生産管理あるいは倉庫部門などで働く人も増えており、製造業でも女性の活躍する場は広がっています。また、高齢者は65歳定年から年齢制限をなくす方向の流れになっており、健康な高齢者の活躍の場をこれからも積極的につくり出していく必要があります。外国人労働者に関しては単純労働者の採用はできませんが、大卒の技術者等に関しては積極的に採用することが可能です。特に、留学生で日本で働きたいと希望している人は多いのですが、年々留学生が増えているにもかかわらずあまり採用は多くありません。今後は彼らの活用を真剣に考えていく必要があるでしょう。また、技能実習生に関して制度も定着してきており、今後もルールに基づいて、彼らの育成と実務訓練のメリットを生かした活用が考えられます。 派遣労働者も含め多様な労働力をベストミックスして活用することが重要な経営課題となるでしょう。適性に応じ、女性、高齢者、障害者、外国人など多様な人材を採用し活用している3-6

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