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106Chapter3Business Methods時代とともに変わる組織の階層構造 米国の商務省、教育省、労働省などが「21世紀のスキルと仕事」と題して、組織や管理、仕事の変化についてまとめたレポートがあります。先進国に共通の現象としてみられることなのですが、経済のグローバル化が進み、技術革新の進展、業務革新の影響などから従来の組織間や職務間の境界が不明確になり、各人の役割間の境界もハッキリしなくなってきています。固定的で厳格な職務範囲に各人が閉じこもっていては、スピードの求められる現代では仕事がうまく回らなくなってきています。M&Aなどによる事業の再編が急速に進んでいることも、この傾向に拍車をかける要因となっています。 ITの利用によって組織の内外での情報流通が大きく変化しており、各人の仕事はより専門的で、複雑化する傾向にあります。当然、その担い手であるサービス部門やスタッフ部門で役割を担う人員が増える傾向にあります。対人折衝能力を備えた人材や高度な専門知識に裏づけられた人材へのニーズが高まっています。大きな組織であっても市場の変化への対応でスピードが求められ、柔軟な対応が迫られているので、組織の階層構造はピラミッド型からフラット型へと変化しています。コミュニケーションのかたちもトップダウン型から、双方向・拡散型になり、あわせて個人への権限委譲を進めることになります。常に組織を見直し、柔軟に対応 競争が激しくなるなかで、製造業の付加価値部分が他社では真似のできない特殊な加工方法や加工ノウハウ、デザイン能力などのソフト的な部分に集中してきていますが、それはとりもなおさず、このような組織編成原理の変化につながっているのです。従って、社内組織の見直しを常に行い、必要に応じて柔軟に対応していくことが求められるのです。業務分担などの社内体制は、柔軟に変更し改善を図っている3-4

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