103Case Study103戦略・経営者マーケティング組織・人材運営管理財務管理危機管理・社会環境・知財管理10の財務指標関連機関概要ほか、掲示物も見やすい場所に整然と張られていて、見学通路もすっきりしています。そして、明るい挨拶の声が聞こえてきます。Step Upお客様に対して全従業員が挨拶できている 生産現場だけでなく事務部門も含めて、訪問者に対して、全従業員から挨拶されると気持ちがよいものです。普段から従業員同士でも、挨拶をしていないとこれを実行することは難しいです。コミュニケーションは挨拶から始まります。しっかり挨拶ができない職場では「ほうれんそう(報告、相談、連絡)」もしっかりなされていないことが多いのです。 自律的に動くことと、勝手にやることをはき違えていては、仕事が成り立ちません。どんな仕事でも組織のなかで働いているのですから、チームで成果を出すことが求められます。その時にコミュニケーションが不十分で情報漏れがあり、対応に遅れて問題を大きくしてしまうということはよくあることです。結局、基本は挨拶から始まるのです。しつけは教育の第一歩、 おろそかにするな Case D社では、「感謝鏡」を全従業員に配って、感謝の気持ちのよい笑顔ができているかチェックさせている。毎朝、鏡をのぞき込んで表情が固まっていないかよい笑顔になっているかチェックしている。 また、同社は主要な仕入先(外注先)を集めて、正月に感謝の集いをやっている。その会では同社の幹部が仕入先に対して接待させてもらうという趣向で、同社の主任以上10人が40人の顧客を接待する。その場を通じて従業員と仕入先との人間関係ができてくる。同社の従業員は、最初勝手がわからず震えていたこともあるという。外注相手が父ちゃん母ちゃんだけの企業であっても同社のパートナーとしてきちんと接待しなくてはいけない。従業員には出席の際に気をつけるべきことを「心得」にまとめて手渡している。今でも新しくその会に出る者には「心得」を渡している。その「心得」では次のようなことを列記して、宴会中に従業員に実践させている。「❶平素の協力に対しての感謝」、「⃝❷同社従業員と仕入先経営者の職種不問の人間関係樹立」、「⃝❸明日からの実務面で厳しさを意識する」、など。(電子機器用部品製造・50人)該当する22%該当しない78%該当する41%該当しない59%優良企業では、「しつけ、礼儀、言葉遣い教育の行き届いた会社だという評判がある」とした割合が全体平均の2倍近くにのぼる中小製造業全体偏差値60以上の中小製造業██「しつけ、礼儀、言葉遣い教育の行き届いた会社だという評判がある」企業の割合※注:「偏差値60以上の中小製造業」は経営総合力が高いレベルにあることを意味する。出所:東京商工会議所「中小製造業における企業の健康診断調査」(2007年)東商会員で製造業に属する中小企業が対象。有効回答数は550社。
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